運動性の疲労が早期に発現することは、能力の高い運動選手にとっても一般のスポーツ愛好家にとっても不都合なことです。
2つの要因が、運動性の疲労を引き起こす可能性があります。すなわち、乳酸の蓄積と筋肉内のグリコーゲンの枯渇です[11]。
いろいろな研究グループが発表しているところによれば[8,15]、L-カルニチンの補給は、乳酸の蓄積を減少させ[12,13]、
グリコーゲンを節約し[14]、結果として疲労を遅延させる役割を果たします。
Volekらによる研究結果[16] は、従来言われている筋肉内でのエネルギー的機能とは別に、 L-カルニチンの生理機能に関する新しい道を開くものです。すなわち、健康な被験者が、激しい運動前に毎日L-カルニチンを摂取すると、 筋肉の痛みと筋肉のダメージが有意に減少しました。簡単に言えば、このことはL-カルニチンの補給が、 筋肉疲労回復過程において役立つ可能性があることを意味します。この最新の研究データは、以前の研究結果[17]とも一致しています。 同様に、健康な被験者で、L -カルニチンが、持久運動能力を有意に向上させ、激しい運動の後に、 よりスムーズな回復をもたらすことを示した研究例もあります[18]。 この予防回復効果は、血液の増加により筋肉への酸素供給が増大することにある程度、起因しているものと考えられます[19]。
このように、運動選手や一般のスポーツ愛好家に対してL-カルニチン、運動能力、 疲労の遅延および回復に関して好ましい効果を及ぼすことが多くの科学研究結果によって示されています。