執筆者の紹介

王堂 哲
ロンザジャパン社勤務。

L-カルニチンに限らず、すぐれたサプリメントがきめ細かく研究され、正しく用いられながら日本人のQOL向上に役立つことをテーマとして活動している。


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2017/11/16 (9:00 am)
「風邪をひいたときには思い切り汗をかくと熱が下がる」という話があります。

これは経験された方も多いのではないでしょうか。

汗は熱を下げるために皮膚から出てくるものです。

だから汗をかくと熱が下がる、と思われますが、これが今回の体温の実験をやってみて「ほんとかな?」に変わってきました。

今の私の考えはこうです。

体温が上がる ⇒ ウイルスが弱体化する ⇒ 風邪が回復する ⇒ 熱が下がる

細胞培養という実験をするときに培地をシャーレに注ぎ込みますがこの操作をする前にガラス瓶に入った培地を56度のお湯に30分くらい浸けておきます。

こうすることによってウイルスを滅菌することができるからです。

これは非働化という一種の低温殺菌法です。

体温を上げるということはこういった低温殺菌をしているのと同じ効果があるのかもしれません。

もちろん体温が上がりすぎることは防がねばなりません。

それで発汗がおこるというわけでしょう。

ですから「汗が出ることで風邪が退散する」ということではなさそうです。

熱いお風呂に使って体温を上げる人体実験をしてみて発見したことは、体温が38℃を超えると猛烈な発汗がはじまるということです。

運動をして汗だくになっているときの体内温度も38℃を超えているということなのかもしれません。

今度一度体温を測ってみたいと思います。


次回の更新は11/23(木)です。
2017/11/09 (9:00 am)
体温が38度を超えても特にだるさもしんどさも感じない、ということを前回お話ししました。

一方カゼひきの時などに38度の熱が出るととんでもないと思います。

また37度5分くらいの微熱でもけっこうしんどさを感じることはあるものです。

これらの「疲労感」の正体が熱ではないとするといったい何が原因でしょう。

仮に、感染してきているカゼのウイルスが原因なのではないか?と考えてみましょう。

カゼのウイルスが感染きたときに、宿主(カゼをひいたヒト)が全く疲労を感じずに出歩いてしまったとしたら、そのウイルスはヒトの集団に蔓延することになります。

この状況はウイルスには有利、ヒトには不利です。

つまりカゼウイルスを感染させないために脳の中枢が疲労を呼び起こして宿主をぶっ倒し、寝床に伏せる状態にしてしまえば集団を守ることができます。

そのときに発熱させることによってウイルス(一般的に熱に弱いものが多いようです)を抑えこむこと、これが宿主の第二戦略だと考えることはさほど無理がないと思います。

ですからカゼひきになると出歩かず、発熱するにまかせてウイルスを撃退していればそのうち快癒してくる、というのが自然な成り行きだということになってきます。

もしここで、解熱剤を安易に飲んでしまうとどうなるでしょうか。

もちろん感染して来たウイルスはほっとすることになるでしょう。

さらに抗生物質など飲むと(通常の抗生物質は細菌にダメージを与えますがウイルスには無効です)ウイルスにとっては痛くもかゆくもない、逆に腸内細菌がいためつけられてしまいます。
このように考えてくると、カゼひきで熱が出たというときに抗生物質と解熱剤を服用するということはせっかくの生体防御のしくみを相当だいなしにしてしまうことがわかってきます。

熱いお風呂に入って体温を上げる実験をしてみたことから意外にも重要なことに気づいた、というのが今回のブログでご報告したかったことなのです。


次回の更新は11/16(木)です。
2017/11/02 (9:00 am)
お風呂に入るときに水銀温度計タイプの体温計を持って入ります。

湯船につかってから、その体温計を口にくわえます(できれば水銀溜めの部分が全体的に口腔内の皮膚に密着する舌下などに固定するようにします)。

温度をやや熱めの設定にしてしばらく経つと、さてどうなるでしょうか?

ヒトの身体の60%は水とみなせます。

体重60キロの人であれば36キロ(つまり36リットル)の水のはいったタンクと同じです。

これは灯油缶2つ分と同じ分量です。

お風呂の湯船にあるお湯の熱が、他に放熱しないですべて身体に移行するとした場合、160リットルのお湯の温度が0.45℃下がるだけで体温は2℃上昇する計算になります。

ともあれ、はじめ36℃だった体温が2℃上昇するということは38℃になるということです。

実際にやってみればわかることですが、十数分で体温計は38℃になります。

私の場合平熱が36.5℃くらいですから、体温はあっというまに38.5℃以上にもなってしまうわけです。

頭部はお湯の外に出ていますから口腔内の温度が38.5℃になっているのであれば、水没している体内のすべて(血液も内臓も、おそらく骨も)それと同等か以上の温度になっていると考えられます。

ふつうカゼでもひいて体温が38度5分になったとしたら、これはもうぶっ倒れて床に臥すという状態です。

ところが、この実験をしてみたところ身体はふらふらでも何でもありません。

まったく普通の、むしろよく発汗して気分がよいのです。

これは驚きです。

この驚きの本質がどこにあるのか?

次回はそのことについてお話ししてみたいと思います。

PS:もし、この体温計の実験を早速やってみようという方がおられましたら、ひとつだけ注意点を。入浴の前にぬるめのお湯をコップ一杯飲んでからにしてください。発汗による脱水を防止するためです。


次回の更新は11/9(木)です。
カテゴリ : つれづれ : 
2017/10/26 (9:00 am)
昨年でしたが、ひどい五十肩になってしまいほとほと困って整形外科医に行きました。

よくある五十肩の場合はレントゲンを撮り「映像を見た限りで異常はない」と判断され、筋弛緩薬と痛み止めの処方箋が出て時間が経てば治ると言われて終わるのが通例だと思っていました。

はたして実際に受診してみるとまったくその通りで、レントゲン写真を見て異常なし、時間がかかりますがそのうちよくなるでしょうと言われ、筋弛緩薬と痛み止めの処方箋が出ました。

もちろんおかしな筋肉の断裂や骨に異常がないことなどがわかってほっとはしたのですが、あまりに型どおりの展開に少しがっかりする面もありました。

現代日本の医療は国民皆保険で3割か1割の自己負担で施療が受けられるようになっています。

このおかげで世界一の長寿大国が実現していることは周知の事実です。

保健医療を成立させているものは厳格な「ガイドライン」というしくみです。

問診や視診などによってざっと診断し、検査によって診断を確定し、それに基づいて施療や処方箋の発行が行われる、そして処方箋に基づいて調剤薬局で医薬品を購入するという流れ、これらすべてが一定の「ガイドライン」に基づいてなされます。

これがないと、医師ごと、医療施設ごとに主観的な尺度で様々な措置がとられ、結果的に保健医療というシステムが持たなくなってしまいます。

主観的な医療判断を回避するためのしくみが「ガイドライン」というわけです。

たとえば、中性脂肪が151 mg/dLであれば異常149 mg/dLであれば正常と判断され、後者の場合に薬を処方したらガイドライン逸脱になるわけです。

しかし実際に数値が149でも151でも本質的な差はありませんがどこかで線引きせざるを得ないということです。

ところで、ある医師は「これはこういう原因でこういう症状が出ているんだな」と察知し「それなら〇〇の治療が良いだろう」と判断したとします。

けれどもそれがガイドラインにない措置だとしたらその施療は自由診療扱いになり、保険診療を使うことができません。

こういう医療の事情は学生食堂に似ています。

学生食堂には「日替わり定食」があって格安で空腹を満たすことができます。

けれども日替わりとはいえ、そのうち飽きてきてアルバイト収入などあればキャンパス近くのプチ高級レストランで少し高めのメニューを食べたりする日も出てきます。

この場合学生食堂の調理人さんは保険診療の医師、プチ高級レストランのシェフは自由診療の医師のような立場に喩えられます。

学生食堂の調理人さんだって自由な食材でメニューが組むことが許されれば相当のことができるはずです。

昔のように食材が乏しかった時代にはそれでも矛盾は起こらなかったと思いますが、選択肢が増えてくるとしだいに制限がきつく感じられるようになり消費者のニーズを満たすことが難しくなってきます。

この場合選択肢が増えてくるということには「食材が増えてくる(あたらしい医療情報が増えてくる)」ということと「顧客の嗜好性が洗練されてくる(より健康寿命に対する要求が強まってくる)といった二つの意味あいがあります。

先端医療技術やある種のサプリメントなどはそんな「ガイドラインの外」にある選択肢のひとつになってきています。

手塚治虫の名作『ブラックジャック』は超絶技巧の手術を施し、法外な料金を課することで有名ですが、彼が無免許医であることはともかくガイドラインを踏み越えて施療をすることに一種の哲学をもっていたこと、これがあの作品のベースモチーフのひとつになっていたのかもしれません。

その意味で非常に時代を先取りしたテーマだったように感じます。


次回の更新は11/2(木)です。
カテゴリ : つれづれ : 
2017/10/19 (9:00 am)
あれよあれよという間に今年ももう冬支度が気になる季節になってしまいました。

時の経つのが速い、という実感は現代人に共通の実感だと思いますが自分のこととして素直にふり返ってみてもまさに、確かにその通りだと思わないではいられません。

私はまとまったデスクワークをするときに30分ごとにアラームが鳴るようにセットしたタイマーを使っています。

すると、まったくあきれるくらい「どの30分も」あっという間に過ぎてしまうのです。

えっ!? もう? まだろくに何もしていないのに・・・!

という感じ、それの連続であっという間に2時間3時間が経過して行きます。

その理由を考えてみると、私が懸案を処理する速度より懸案が舞い込んでくる速度の方が速い時が少なくないということです。

電話がかかってくることもありますが、もちろんメールで飛来する用事の方が圧倒的に多いものです。

昼間に自分にめがけて飛んでくるメールはほとんど何らかの「納期」を伴っています。

中にはパッと返信してしまえば片付くようなものも少なくありませんが、時に難問や奇問も含まれています。

すぐにケリのつくような案件にしても1時間に3件5件となると30分タイマーをかけている間にもどんどん溜まって行きます。

人によっては毎回の食事を写メで飛ばしてくる人もあります。

さすがにそれに逐一「いいね」を押すこともありませんが、よくそんな時間があるものだと感心してしまいます。

でもこんなことは今や現代人ならだれでも経験している日常茶飯の風景にちがいありません。

メールが発達する前はファクスだったでしょうか。

その前は固定電話。

電話もなかった頃の仕事などというのはほぼすべて郵便だったのでしょうか。

その当時なら半年分くらいに相当する「〆切り」が今では一日の単位で多くの現代人に舞い込んでいるにちがいありません。

こんな社会に暮らしていれば一日が短くなるのも無理はありません。

この30分タイマー法を試してみて「毎回の30分」があっという間に感じられるとしたら、それは「一日や一月、一年が短く感じられる」ということの直接の証明といえると思います。

こうした時間感覚から解放されるかどうかということは現代人の人生航路のあり方として真剣に検討する必要があるように思います。

今このブログを書いているのは夜更けですのでさすがにメールは少ないですが(それでも1件来ました!)もうあと6分でアラームが鳴ります!!

では今日はこの辺で。また来週!


次回の更新は10/26(木)です。
2017/10/12 (9:00 am)
一年に何度か草食動物のことについて考えます。

L-カルニチンについてのプレゼンをするときに必ず「この成分は羊肉に多い」という話をするのですが、あたりまえの事実のようにこういうことを言っているうちに、「ではなぜ?」という疑問を追及したくなってくるのです。

草食動物は朝から晩までほぼ起きているときは草ばかり食べています。

草がなくなると大集団が食って行けないので広漠たる大地を大移動します。

とても疲れるはずですが、アフリカのヌーの大移動などは信じられないようなエネルギーを使いながら行われています。

そして彼らはだいだい「巨大集団」なのです。

巨大でなければ肉食動物によって絶滅させられてしまうからです。

1.巨大集団を維持形成するためには子孫を残す能力が高くないといけない

2.長距離移動するためには体力がないといけない

この条件を充たす草食動物(羊、ヤギ、牛など)の筋肉には例外なくL-カルニチンが多い。

これは偶然なのかどうか、が知りたいことです。

ひとつはっきりしていることは彼らの筋肉の中にはL-カルニチンが多く含まれていて、そうであるからには脂肪を燃やしてどんどんスタミナに転換していることは確実です。

一方、ヒトを含む哺乳類の身体の中でもっとも高濃度にL-カルニチンが蓄えられている臓器というと、これが精子細胞や精液なのです。

実際、男性不妊の人の精子は数が少ない、奇形があってまっすぐに遊泳できないといった問題がありますがそういうケースでは精液中のL-カルニチンの濃度は下がっていることが知られています。

これらの状況証拠を重ねあわせるとこんなふうになります。

 〜霓動物は精液中のL-カルニチン濃度を高めて巨大な繁殖力を保たなければならない。

◆〜霓動物は筋肉にL-カルニチンを蓄えて長距離移動に耐えられなければならない。

 大集団が生きてゆくためのたべものはその大集団よりも大きな生物量をもつ植物でなければならない。

ぁ〜霓動物は ↓△量榲達成のために自分の身体でL-カルニチンを作り続けなければならない。

今回は何の結論も出せませんでしたが、雑食動物であるヒトがサプリメントでL-カルニチンを摂るということは、もしかしたら「草食動物の強み」を身につけるところにあるようにも思われます。

ヒトは雑食動物です。

つまり肉食動物と草食動物の強みを引き出すような工夫が可能という点においてユニークだと思います。


次回の更新は10/19(木)です。
カテゴリ : つれづれ : 
2017/10/05 (9:00 am)
「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して与えられるのが「イグ・ノーベル賞」です。

今年は「猫は固体か液体か?」や「あくびはうつるかどうかの研究」などが受賞したそうです。

あくびの方ですが、カメを実験に用いて観察したところ(カメもあくびをするということ自体驚きではありますが)結論としては「うつらない」だったそうです。

今回私はウェブでその記事を確認しているとき、そこに出ていた一匹のカメのあくび写真を眺めていてみごとにあくびがこみ上げてきました。

絶対うつると確信しました・・・!

このイグ・ノーベル賞、日本人の受賞は非常に多いとのことです。

どれも一見ばかばかしいのですが、その実着想がすばらしく、ほんとうにうーんと唸ってしまうようなものばかりです。

私の友人で大学の教授をしている人が以前嘆いていたことなのですが、大分前から大学は独立行政法人になってスポンサーのつくような研究をしないと研究室の存立が危うくなったという事情があるようです。

スポンサーのつく仕事というのは、わかりやすくいえばすぐにお金になる研究ということです。

したがって、基礎研究にはお金が回らなくなってくるわけです。

ところで、『昆虫記』を著したファーブルは自然観察の天才でしたが、たとえばフンコロガシの習性などをはじめこれぞイグ・ノーベル賞そのもの、といった話が山ほど出てきます。

そもそも昆虫の世界などはそれ自体人間には関係ないものです(ちなみに今年の受賞のひとつは「メスが交尾器をもつ昆虫」の発見に関するものでした)。

けれどもそういう研究がいつどんな役に立つかわかりません。

あるいは永久に役に立たないことにこそ意味がある場合だってあるでしょう。

ともあれ、フンコロガシの研究をしている大学をもっている国家、というのはすばらしいと思います。

ところで、ノーベル賞をとることはなかなか容易ではありませんが「イグ」の方ならアイデアと執念で何とかなるかもしれません。

こんなことを考えながら家の中、町の中でネタ探しをしてみるのもなかなか一興かもしれません。


次回の更新は10/12(木)です。
カテゴリ : 健康 : 
2017/09/28 (9:00 am)
ローカーボダイエット(炭水化物制限食)やケトン体ダイエットの話をよく耳にします。

炭水化物をカットして健康になろうというわけです。

ローカーボにすると脂肪が燃焼し、ケトン体が生成します。

ケトン体は急激に過激な運動をした時にも増えてきます。

つまりケトン体は糖質が欠乏してきたときに生き伸びるための非常食です。

非常食を毎日たべる・・・これはおかしい・・・ですね。

教科書にもケトン体が増えるのはよろしくない、たまってくると過疲労感や倦怠感、筋肉痛などが起こる、できるだけこれは避けたい、と書かれています。

ケトン体ダイエット提唱者はそれに反抗します。

ですが、糖質はビタミンCやビタミンEなどのリサイクルに必要ですし、何より脳でも筋肉でも最も使い勝手のよいエネルギー源。なので、完全に糖を遮断せよ!などという主張に私はまったく賛同できません。

さて、先日厚労省が発表したところでは2016年の国内糖尿病患者数は1000万人を突破し、予備軍とあわせるとほぼ2000万人になるとのことです。

お隣の中国ではこのスケールはさらに10倍。患者数が日本の人口よりも多いのです。

ホモ・サピエンスが出現してから今まで身体のつくりはほとんど変化していません。

しかし食生活はがらりと変わり、マンモスを狩らなくてもコンビニに行けば24時間どんな食べ物でもお腹いっぱい食べられます。

この穀物(デンプン。カーボ)中心の食事は農耕が発達して以来の劇的な変化です。

飢餓から解放され、平均寿命も格段にのびたのはそのおかげです。

戻りますが、私は炭水化物を目の敵にするケトン体食論者の主張には反対です。

ですがいま、ちょっとズームアウトして地球をグッと遠目から眺め、糖尿病患者数の数、特に中年以降の人口に占める割合を見てみると・・・・やはり人類は炭水化物の食べ過ぎで世界規模の栄養アンバランスの時代を突き進んでいるようにみえるのです。

地球社会の住人はこのあたりで本来のからだの設計思想どおり「カーボひかえめ」の方向を見たほうがよいと思います。

寿命が65歳くらいで尽きていた時代には弊害も目立ちませんでしたが、人生100年時代ではシリアスです。

ただ心配しなくても私たちの食生活から炭水化物を完全に追放することはそう簡単ではありません。

健康を害するということは自分や他人の時間を奪うことにつながります。

「命とはその人が持っている時間のことである」という日野原重明さんの名言がありますが、ひとりひとりが元気でいることは自分のみならず他人の命を延ばしていることにもつながるのですね。

「カーボ控えめ運動」は食糧問題の裏側にある重要な大規模課題だと思います。


次回の更新は10/5(木)です。
カテゴリ : 健康 : 
2017/09/21 (9:00 am)
国際宇宙ステーションという基地があります。

最近米国でこの関係の仕事をしている人からいろいろ話を聴く機会がありました。

まずこの基地の高度ですが、地上からおよそ400 kmのところに浮かんでいるのだそうです。

浮かんでいる、というとポカンと漂っているようなイメージになりますが、実際には飛んでいます。

どのくらいの速度で飛んでいるのかご存知でしょうか。

なんと秒速7.7 kmです。

この速さだと、地球の周りを400キロの高度で1周するのにわずか90分しかかかりません。

つまり、朝と夜が90分ごとにやってくるのです。

これでは時間の感覚など吹っ飛んでしまいます。

重力は「微重力」です。

この状態では打ち上げ直後、脳や目や血管などすべて膨らんできます。

厳しい訓練を経た宇宙飛行士でも最低3日くらいは非常に苦しいそうです。

しかも、乗組員の人たちには主にフリーズドライ食しかありません(それどころか一歩外に出れば空気がない!)。

そして何より「ただ乗っていればいい」というようなわけにも行かず、様々なプロジェクトを遂行するためにものすごく忙しいわけです。

こういう過酷な状況の下で500日以上も過ごした人もあるわけですから感服するほかありません。

そもそも私たちのからだは血液循環も骨も筋肉もすべて地上の重力、24時間サイクルを基本に設計されています。

そのことごとくが通用しない空間に行くのですから、まともに機能する器官があるほうが不思議といってよいくらいです。

それが火星となると、地球に最も接近した時で5400万キロ、離れているときは1億キロにもなるそうです。

地上の距離とちがって、同じ目的地でもタイミング次第で距離が違うのですね。

ここに行き着くためには数か月を要します(光の速度でも数分かかるわけなので)。

往復時間と火星での仕事の時間を考えると最低でも2〜3年は見ておく必要があります。

天才学者ホーキング博士はつい先日、人類が地球に住んでいられる時間はあと100年だと予言しました。

だから、最も棲むのに適した天体に真剣に移住する計画をたてるべきだというのです。

そのためには途方もない科学の進歩が要求されますが、それはともかく米国の宇宙開発計画では真剣に人類の火星への到達を視野に入れています。

そんな宇宙での人体の適応を考えていると、少々暑かったり寒かったりしても、嵐や竜巻がやってきてもこの地球環境に暮らせることがどれほど快適であることか、改めてそのことのありがたさが身に沁みます。

核爆弾の開発などにうつつを抜かすことのばかばかしさがいっそうはっきりしてくることでもあります。


次回の更新は9/28(木)です。
カテゴリ : 健康のための運動 : 
2017/09/14 (9:00 am)
ボクシング世界チャンピオンの具志堅用高さんが現役時代、ランニングのあとで吐かないような走り方ならしないほうがマシだ、というようなことをどこかで語っていました。

トップアスリートはかくして極限まで身体を追いこんで栄冠を勝ち取って行くのだと知って大いに感動しました。

私もその当時運動部にいましたので刺激を受けましたが、ランニングひとつとってもそこまで厳しい経験をしたことはついぞありませんでした。

ところで実はまったく一生懸命じゃないけれど「何か運動しているふり」をしてみるということは健康にとってまったく意味はないものでしょうか。

たとえば、一日に腕立て伏せを50回、ランニングを10キロ、腹筋を100回などという運動があったとします。

私の経験では中学や高校の運動部でやっていたころのもっともきついレベルでそのくらいだったように思います。

成長期の人間にこれだけの運動をほぼ毎日課するということになるとあっという間に筋肉は増え、腹筋も割れてきます。

これだけの運動負荷をかけることで身体中に活性酸素が発生し、筋肉はずたずたに損傷してしまいますが、それを旺盛に修復することが身体にとっても「日課」のようになっていますから朝起きてから寝るまでの間身体中の筋肉増強モードのスイッチがONになっているわけです。

今の私にはとてもじゃありませんが、不可能です。

ですが、ぐっとレベルを落として腕立て伏せ5回、ランニング200メートル、腹筋15回程度であれば・・・それはほぼ苦痛なくできます。

具志堅さんではありませんが、以前私もそのような軽すぎる運動、運動ともいえないほどの運動であれば「やってもムダ。しない方がマシ」と考えていました。

つまり運動するからには「絶対量」が必ず必要であって、それなくしては意味がない、と考えていたわけです。

たしかに、120 kgのウェイトをあげるとか、試合に出る、そこで勝つというような目標に対しては「やってるふり」程度の運動はナンセンスなことにちがいありません。

ただし運動を競技のためではなく、健康維持や増進のため、と考えると事情がちがってきます。

そもそも高齢期には(ふつうの市民レベルの身体能力の人であれば)そもそも限界まで力を出し切るような運動は短期間でも実行することはできません。

一方だからといって「何もしない」のと「やってるふり。ナンチャッテ運動」をするかしないか、の間にはかなり大きなちがいがあるはずだと思います。

ポイントは運動の絶対量ではなく、身体に「これからこういう負荷がかかるかもよ」という意思表示のシグナルを送ってあげるということです。

何もしなければ沈黙しているだけだった遺伝子に、そういう刺激(ふり)が伝わることによってそれに備えなくちゃ、というアクションが必ず生じるということです。

まとまった運動でなくてもこま切れの早歩きでいい、という話を聞かれたこともあると思いますがこれなども「合計で〇〇キロ歩けばいい」ということではなく、身体にこまめにシグナルを送っていることのほうが重要なのだと考えられます。

予防接種などもその例といえるかもしれません。

弱った菌や死んだ菌を体内に接種するということは、まさに「ナンチャッテ病原菌」を身体に入れて準備させようとする作戦です。

現在まったく運動していないな、という方が居られましたら一日のどこかで「腕立て伏せ5回、腹筋15回を予防接種」することで眠っている遺伝子にシグナルを送ってみてください。

「しないよりマシ」以上のものが得られると思います。


次回の更新は9/21(木)です。

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