2006/03/24 カテゴリ: メタボリックシンドローム : 

病気の原因が解明され、しだいに「行政」と結びつくという話

いわゆる心臓マヒや中風というのは、病名というよりは現象をいいあらわす大雑把な言葉に過ぎませんでした。それがもっと細かく、心筋梗塞、クモ膜下出血などとより専門的で正確な言葉として、一般の人にも説明されるようになってきました。

しかし病名を知るだけではまだ不十分で、どうすればその病気が防げるのか?という知恵に結びつける必要がどうしてもあったように思われます。そしてそれは、行政や制度の施策にも結びつくようになります。

例えばタバコを吸うことのリスクについては年々歳々周知徹底の一途をたどってきています。喫煙と健康リスクの因果関係が明らかになることによって禁煙車両が設けられたり、ポイ捨て禁止令が制定されたりするというような、「理論と実行面の具体的な結びつき」がとても強くなってきています。電車で言えば、以前は禁煙車両というものが少数で特殊な存在でしたが、現在では「喫煙車両」がむしろ特殊な座席として設けられています。この事柄は健康問題が社会現象と結びついた実例だと思います。

一方、こういう時代の流れはいつも個々人の健康といったことに制度や行政が介入する、ある意味ではおせっかいといってよいようなものだともいえるでしょう。なぜ行政がこんなおせっかいをするのかというと、それは保険医療制度ということと深い関係があります。

日本は世界でもまれな国民皆保険制度をとっている国です。病に冒された人に対する経済的救済を国が行うということは、非常に理想的な制度です。ただし、それも財源が十分なければ維持できなくなります。というわけで社会を制度化し、健康リスクをできるだけ取り除くことが実際に行われるようになっているのです。禁煙に対するそのような施策はその典型的な例だといえるでしょう。

要するに、国は国民の健康に対する経済的負担を抑えるために、「あなたの健康のためによいこと」というおせっかいをしているのです。しかしながらこういった国の施策とは別に、個々人が健康になる、と考えてみれば、むしろそういった「おせっかい」を歓迎するべきなのかもしれません。

(つづく)次回の更新は3/31(金)です。