2008/09/04 カテゴリ: L-カルニチンについて : 

いろいろな動物の肉に含まれるL-カルニチン

馬といえば走ることを身上とした草食動物です。

羊の肉にL-カルニチンが多いことは有名な事実ですが、馬は羊と比べてどのくらいのものなのか、ちょっと興味があって調べてみました(表1参照)。

文献によれば、馬肉中のL-カルニチンは可食部100 gあたり117 mgとなっていますので、羊肉190 mg、牛肉118-143 mgに次ぐレベルということになります。

やはり羊肉にかなうものはないということでしょうか。

ちなみにヒトの筋肉中には65 mg程度含まれていて、これはウサギ86 mgと同レベルです。

また豚肉は24 mgとかなり低くなり、鶏肉では8 mgつまり豚肉のさらに3分の1、ヒトの筋肉の8分の1程度です。

乳製品ではヤギのチーズ12.7 mgが最高で、通常のミルクが4 mg。

海産動物の中で多い部類になるのはロブスター(節足動物・甲殻類)の胴体部分で27 mg、あるいはカキ(軟体動物)の24.3 mgあたりになります。

といっても豚肉と同程度です。

魚類ではタラ13.2 mg、ニシン12.4 mgなどの値が知られており、ともに豚肉の半分くらい、またマグロは3.4 mgとミルクと同じくらいの低い値です。

一方植物の中では多いといわれるアボカドで0.4 mgですから、やはり動物に比べれば圧倒的に少ないといえます。
















動物に関して、単純な含量だけでみれば軟体動物、節足動物などの無脊椎動物の方が、魚類・鳥類などの脊椎動物よりむしろ高く、雑食性の豚で再び無脊椎動物レベルに復活し、羊や牛などの草食動物で最高に跳ね上がるというおもしろい傾向が読み取れます。

L-カルニチンとは違う物質でやはりスタミナに関係したアミノ酸系の成分にアンセリンがあります。

このアンセリンはマグロなどの回遊魚や鳥類に比較的高濃度にみられるもので、これら「長距離ランナーのスタミナ源」とも考えられています。

これらの動物での両成分の分布を眺めていると、こと脊椎動物に関してはL-カルニチンに依存してエネルギーを得るものと、アンセリンに依存してスタミナを得るものがある、という可能性を考えたくなります。

実際、私の知る限りL-カルニチンとアンセリンの両方を豊富に持つ動物は見当たりません。

アンセリンそのものはエネルギーの産生に寄与せず、疲労の抑制などを役割としているということです。

そういえば鳥類や魚類はあの持久力の源泉を糖から得ているのか脂肪から得ているのかは興味あるところです。

一応考えられることとして、回遊魚や鳥類はL-カルニチンをわずかしか持たないことから、専ら糖をエネルギー源として長距離移動しているのだろうと考えられます。

ヒトの栄養について考えるとき、このようなヒト以外の動物のスタミナ源やその使い方について考えてみれば参考になることがあるかもしれません。

次回の更新は9/11(木)です。