2008/10/23 カテゴリ: フードファディズムについて : 

納豆3パックvs. バナナ2本

世界広しといえども「納豆3パックvs.バナナ2本」と聞いて、ピンとくるのは日本人だけだと思います。

また、こういう話題について何か言おうという人があれば、その内容によってその人の思考回路、ライフスタイルまでが想像できると思われます。

例えば、たくさんの店を回ったけどどこも売り切れだった!明日は朝イチに回ってみる!と息せき切っている人の考えていること、3日やってみたけどもうやめたという人の性格、「特定の食品だけを偏って食べるのは健康を害する」という忠告の背後にあるもの、「その理屈には科学的根拠がない」という論理立て・・・などなど。

私個人的には納豆もバナナも子供の頃から好んで食べてきたものです。

これが、南洋諸島の珍しい果物だとか、聞いたことのないアフリカのハーブだとかいうことになれば、その成分に「クスリ」のような何かを想像して、そう簡単に飛びつく気にはなれません。









しかし、納豆もバナナも非常に親しみ深い。

特に納豆が健康によい日本の伝統食であることは有名な事実です。

そしてこれらのものは普通であれば簡単に、欲しいだけ、いつでも、安い値段で買うことができます。

適正価格もわかっています。

つまり安全性や経済性についての情報が予め豊富な対象だということになります。

また、納豆とバナナでは異なる点も指摘できます。

(1)納豆3パックを毎日食べるのはなかなか苦痛だ。バナナ2本を朝食として食べることにそれほど苦痛はない。

(2)納豆3パックを食べても胃袋が質量ともにバランスのよい食事によって満たされた、という感じがしない。かなり無理のある偏りを生じていることを直感的に思う。バナナ2本は常識的に受け入れられる量だ。お腹もまずまず心地よく膨れる。食べる手間もほとんどかからない。

(3)納豆3パックは、常識的な量を超えていると感じる。少々苦痛もあるが、食べられないわけではない。そのちょっとした苦痛を通じてその中にある特定の化学栄養成分が効能を表わすことを期待したくなる。バナナ2本の中にそれほど「シャープな効果をあらわす栄養成分」があるとは思われない。しかし「こなれ」がよく、午前中くらいを支えるエネルギーが得られる感じがし、消化管にもよいような気がする。

(4)どちらかといえばバナナ2本の方が継続しやすそうだ。
 
恐らくはこういう特徴があるため長短はさまざまです

が、消費者市場においてはそれなりのブーム期間を過ぎれば大抵沈静化します。

健康被害なども起こらないでしょう。

一方、こういう動きや心理に対して「一つものだけをたくさん食べること」に対する警告が必ず発せられます。

そういう正論もまた社会のバランス感覚的には必要なことに違いありません。

けれども、その正論のさらに先まで行ってみたい、という気持ちを私は持ってしまいます。

「納豆3パックダイエット」の欠点は、納豆に含まれる特定成分のメリットだけを説いてその他1日分の食のパターンやバランスについて何も助言していないところだと思います。

それに比べれば、「朝バナナ2本ダイエット」の方は、その後の昼食や夕食のとのバランスにもある程度考察が及んでいます。

そして、少なくとも「朝食抜き」よりは「朝バナナ2本」の方がよいということも経験的に肯定されやすいのでしょう。

ですから、このような健康、ダイエットと食が結びつくケースもすべて「おろかなブーム」と片付けてしまうのではなく、その内容についてもう一歩だけ突っ込んで考えてみることは無駄ではないと思っています。

私はといえば、納豆1パックを時折朝食に食べることは日本人として生まれたことの至福として絶対手放したくはないですし、また実際ゆっくり朝食を摂ることのできない朝に、バナナ2本のお世話になることは大いにあり得ることだろうと考えています。

次回の更新は10/30(木)です。