2009/02/26 カテゴリ: L-カルニチンについて : 

L-カルニチンについてのユニークな論文

基礎研究はすぐに役に立つかどうかは別として、積み重ねて記録されることが重要です。

L-カルニチンについて、今年になってから発表された論文の中で、ユニークなものをいくつか拾ってみます。

グリーンランドのイヌイットの人たちは、善玉コレステロールが多いなど健康な血液を持っていることで知られていますが、これはDHAなどのω(オメガ)3という脂肪酸を豊富に含んだアザラシや魚をたくさん食べるからではないかと推測されています。













それで、その真相に迫るべく、イヌイットの人たちの遺伝子を調べてみたら、脂肪燃焼に働く酵素のタイプが共通していたということです。

その酵素の名前はカルニチンパルミトイル転移酵素といい、L-カルニチンと脂肪酸を結合させるのに必要なものです。

ちょうどトラックの荷台に荷物を載せる役割に例えられます。

そのようにして脂肪酸を載せたL-カルニチンはミトコンドリア(発電所)にそれを運び込み、燃焼に導きます。

単に推測されていたことが、より詳しく解明されることでさらに様々なことに対する理解が深まります。

これはRajakumarらにより『Journal of Lipid Research』に今年の1月29日に発表された論文です。

L-カルニチンが私たちヒト(脊椎動物)の中で脂肪燃焼に役立っていることはすでに知られているところですが、では無脊椎動物ではどうなのか?という疑問に答えようとした論文が発表されています。

得られた結論としては、昆虫ではそれほどではなかったけれども、テナガエビでは哺乳類と同じようにL-カルニチンは脂肪燃焼に関係しているらしい、ということです。

これは想像もつかない面白い発見です。

今年の1月10日、Lavariasらによって『Comparative Biochemistry Physiology Biochemistry Molecular Biology』という学術雑誌に報告されています。

次回の更新は3/5(木)です。