2009/10/22 カテゴリ: 健康 : 

「アンチエイジング」は決してできないことですが・・・(1)

物質はどんなものでも放っておけばどんどん乱雑さが増える方向に向かいます。

つまり、お湯は放っておけば周囲の温度まで冷えますし、気体は空気中に拡散します。

また天日に長い間さらされたものは必ず劣化して脆くなったり色あせたりします。

きちんと片付けた部屋も放っておけば必ず乱雑な方向に向かいます。

この法則(エントロピー増大の法則)には「例外が存在しないこと」が証明されている物質界の大法則のひとつです。

そんな中にあって、私たち生物は遺伝子(DNA)が忠実に複製(コピー)される非常に特殊な存在で、一見すれば遺伝子の配列に始まる秩序はいつまでたっても乱雑にならず、整然と保ち続けられるように思われます。

確かに短期的に見ればそんな感じがするのですが、長い時間経過の中ではやはり「乱雑さは増大する」という法則から逃れられません。

老化(エイジング)は生物におけるエントロピー増大の具体的な表れです。

遺伝子の複製は非常に精密に行われていますが、ある確率の下にどこかで必ずエラー(ミス)が発生します。

私たちの身体にはミスが生じればそれを薄めたり修復したりする仕組みも備わっていますが、その修復システム自身もタンパク質で構成されていますので、結局は時間(年齢)とともにミスは増えてきます。

そのミスが随所に少しずつ重なってくることによって、いわゆる老化現象が起こってくるわけです。

この自然の摂理を覆すことができないことが分かっている以上、若返り(抗老化:アンチエイジング)を企てたり、不老不死を願ったりすることは全く科学的ではない、まずこのことは断言できます。















前述のミスを起こす原因となるものは、宇宙からたまたま飛んでくる宇宙線(放射線)であったり、太陽光とともに送られてくる紫外線(これも放射線の一種ですが)、あるいは活性酸素であったりします。

宇宙線の方はのべつまくなしに様々な角度から飛んできて私たちの身体を貫通していますが、レントゲン撮影がそうであるように眼に見えず痛くもかゆくもありません。

しかし、宇宙線(放射線)が飛び交う宇宙の中に地球がある以上、地球上に居る誰しもこれらから逃げることはできません。

一方、酸素を使って糖質や脂質を燃焼しながらエネルギーを得ている私たちの身体から活性酸素を完全に取り除くこともまた不可能なことです。

つまり、こういった逃れようのない宿命的な攻撃が私たちの精密な身体の仕組みに乱雑さをもたらしているといえます。

けれども(宇宙線の方はともかく)、活性酸素の影響についてはそれらを消去する抗酸化活性のある成分を摂取することである程度低減させることができるだろうと考えられています。

そういう抗酸化力のある成分には、ビタミンEやコエンザイムQ10、アルファリポ酸、ポリフェノール類、アスタキサンチンに代表されるカロテノイドなど様々あります。

これらの文脈から考えれば「アンチエイジング(anti-aging)」は厳密には「スローエイジング(slow-aging)」であり、ひとえに身体の中で加齢とともに加速してくる「乱雑さの増大」をいくらかでも抑制する方法論だということになります。

このあたりの事項はいわゆるアンチエイジングサプリメントなどの解説によく登場することです。

次週は、少し違った観点からアンチエイジングを眺めてみたいと思います。

次回の更新は10/29(木)です。