2009/10/29 カテゴリ: 健康 : 

「アンチエイジング」は決してできないことですが・・・(2) 「閉店時間延長型」の加齢戦略

先週ここで、「乱雑さ(エントロピー)増大の法則が絶対である以上、若返り(抗老化:アンチエイジング)を企てたり、不老不死を願ったりすることは全く科学的ではない、まずこのことは断言できます。」と書きました。

しかし何か対策はないものか?と考えるところから遺伝子の乱れやタンパク質、生体膜に加わるダメージなどを少しでも緩和するために、活性酸素を除去する成分を摂取すればいい、と触れました。

そしてこの作戦は非科学的な「若返り」ではなく、老化速度を落とす(スローエイジング)と呼ぶにふさわしいということもお分かり頂けたかと思います。

私自身がジム通いをするようになってから身体にはっきり見られた変化をもとに、もう少し別の視点から考えてみたいと思います。

ジムに通ってからの私の中の変化についてベスト2を挙げれば、筋肉が増えて脂肪が減った(脂肪と筋肉が入れ替わった)こと、そして体力的に30代くらいに戻ったような感覚がある、ということです。

これは文字通りのアンチエイジングではないか!と、とても嬉しい気持ちになりました。

けれども科学の教えるところ「若返りはあり得ない」のですから、これは残念ながら勘違いというほかありません。

かといって、私は特に活性酸素を抑えるような施策を取ったわけでもありませんので「老化速度が落ちた」というのでもないと思います。

ではこの身体の変化をどう説明すればいいのでしょうか?

結論から言えば、これは恐らく私たちの身体の持つ「店じまい現象」と関係があるだろうと思っています。

この世に生まれ落ちてから20歳くらいまでの私たちの身体というのは、レストランに例えれば開店したばかりで食材も豊富、お客さんも増える一方で非常に活気がある状態です。

この時代にはたとえお客さんが来なくても(特に運動などしなくても)お店は開かれたままになっています。

ところが40代くらいを境にして、「お客さんが来ない(運動しない)のならラストオーダーを取って片付けますよ」という状況になります。

実際サルコペニア(Sarcopenia)といって筋肉の減少は40代から始まり、最終的には「小さな老人」となってゆくのです。













私は学生時代こそ運動をしていましたが、社会に出てから51歳になるまでほとんど運動らしい運動もせずに来ましたので、身体の随所でラストオーダーのコールがかかり、「もう注文しません、いいです。」というような状況になっていたのだろうと思います。

ところが、突如ジム通いなど始めたものですから、一時片付けかかっていたレストランに再びお客さんがやって来て注文を始めた状態になりました。

仕方がないのでレストランはまた厨房に火を入れ直します。

新しい食材の購入にも忙しくなります。

こういうレストランに例えれば、生物としての人間の閉店時間は最大限120歳くらいと考えられています。

つまりそれ以降の営業はあり得ませんが、一番遅くまで営業しているとすればそのくらいまで仕事をしてくれるようになっているのです。

感覚的に言うならば、40代で「ラストオーダー」にしてしまった場合は午後3時くらいから閉店準備にかかり、6時か7時には閉めてしまう(つまり死んでしまう!)ということです。

しかし、お客さんを適度に絶やさず操業を続けるように促していれば午後10時とか11時までは閉店せずに済むでしょう。

私の身体はジムでの運動開始によって店じまいを延長することになり、その操業の状態があたかも30代の頃と似ている、と錯覚されたのだと思われます。

時計の針が戻ったのではありませんから、科学の大法則にも矛盾しません。

これはアンチエイジングでも、スローエイジングでもなく「閉店時間延長型の加齢」と呼んでみたいと思います。

そんなうまい話があるか、と思われる方もいるかもしれませんが、以前このブログにも書いたように世の中には何もしない若者や中年が足元にも及ばないような身体能力を示される高齢者が実在するのです。

こういう例を見て「そういう特殊な人がいるだけだ。私には無理だ。」と思う必要はないと思います。

高齢者でフルマラソンを完走したりする人は、「閉店時間の延長」を上手に行えば誰の身体でもそれに応えてくれる可能性があるのだということを、身をもって示してくれているのだと思います。

次回の更新は11/5(木)です。