2009/11/12 カテゴリ: 健康のための運動 : 

汗をかくということ

「天国と地獄」という、1963年に公開された黒澤明監督の名作があります。

この映画には当時の真夏の横浜の映像が出てきます。

ところがこのフィルムのある部分は真冬に撮影されたそうです。

真冬なのに真夏のシーン(刑事さんが大勢で捜査方針の打ち合わせをするシーンなのですが)を撮影するときに黒澤監督はどうしたか?普通なら、うんと暖房を効かせて夏のような気温を作り出すところでしょうが、黒澤さんはなんと出演者に氷を舐めさせて撮影したそうです。

なぜか?冬に撮影すると息が白く凍ってしまうので、それを防ぐために口に氷を入れて温度を下げさせた(!)ということです。

さらにその真意や驚くべしで、夏に夏のシーンをとったら気持ちにたるみや油断ができて緊張感がなくなってしまうが、冬に夏のシーンを撮影すれば俳優は皆「どうすれば暑い夏の雰囲気が演じられるか」を一生懸命考えて演技する、それを狙ったということです。

天才カリスマ監督ならではの凄まじいエピソードですが、映像を見ている限り、確かに「昭和の真夏」のとっても暑苦しい空気がものすごく生々しく感じられます。

さすがです。

ところで、現在は夏でもエアコンが効いていますから一年を通じて汗だくになるというような経験が少なくなっています。

私も社会に出てから本当に長らく大汗をかくことがなくなっていました。

今年の春からジム通いを始めて毎週2−3回、かなりの発汗を経験するようになって、改めてこのありふれた現象に目を向けるようになりました。

だいたい1回のトレーニングで500mlのペットボトルに入ったお茶などを1本飲めば調子が良いようなので、恐らくそれと同程度の発汗があるのだろうと思います。

それでもしばしば「滝のような汗」という表現そのものという感じになります。

ちょっとトレーニングの間が空いたりすると、心なしかその汗の塩っ辛さが強いような気もします。














汗というのはもともと上がり過ぎる体温を冷却するための仕組みですから、その目的のためには特に塩っ辛い電解質を分泌する必要はないと思われます。

けれども、電解質も一緒に汗腺から出るようにしておかなければ水分だけが搾り出されて血中の塩濃度は急激に上がってしまいます。

これは危険な状態です。

これを避けるために、一生懸命水分と一緒に塩分も外に出しているわけですね。

失われた水分を補うためにペットボトルから水やお茶を飲んでいる場合、それらには特に電解質が含まれていませんから理屈上、体内の電解質濃度は薄められることになります。

これを徹底的にやればナトリウム不足ということになって、これはこれで危険です。

ですから、電解質を含んだスポーツドリンクの利用価値が出てくるわけです。

これは合理的な考えだと思われます。

私はスポーツドリンクではなく、主にお茶を飲んでいますが、こうやって時折体液を薄めてやることで、日ごろ外食などが多い食生活の中での塩分摂り過ぎ状態が相当改善されるのではないかと考えています。

現に、私の血圧は非常に良い感じが続いています。

塩辛いものを食べず運動して汗もかかなければ、やはり塩分濃度はあまり変化しない理屈になります。

しかし、この状況では流動性に乏しいことになります。

一般的に経済と同じく、体内の物資の流動性も低いよりは高いほうがよいのです。

これは循環器系も消化器系も、お肌の新陳代謝も同じです。

流動性の塊といえる赤ちゃんの肌が何とも言えず瑞々しくまろやかなのはその生命力の初々しさの象徴ですが、これは逆に老化がこの流動性の停滞であることをも教えています。

発汗によって役に立つ電解質も失われますが、不要なイオンも排泄されると思われますので、やはり「モノの出入り」は活発に行えるように身体を管理することが理想的だと考えられます。

トレーニング(運動)の習慣には、

脂肪など余分のエネルギーを消費すること
理想的な筋肉を失わないようにすること

これに加えて、

* 電解質の新陳代謝を活発にして循環器系の体液を清浄に保つこと

という効用もあるのだなということを改めて実感している今日この頃です。

これはあまり強調されていない運動の重要な効果ではないかと思っています。

次回の更新は11/19(木)です。