2009/11/26 カテゴリ: 健康 : 

日米中の健康状態

最近のニュース(11月23日重慶晩報の報道)で、中国の高学歴層の平均寿命がわずか58歳であり、中国の全国平均を10歳前後下回るという情報が出ていました。

このデータを発表したのは、四川省針灸学会理事の鄭崇勇(ジョン・チョンヨン)医師だそうですが、同医師によれば中国では総人口の60%、およそ7億人以上が「半健康状態」にあるとのこと、またその大半は中年層で、全体の約48〜50%を占め、都市部住民、青少年、インテリ、政府機関の幹部、軍人の間で広がっているそうです。













「半健康人」とここで呼ばれている人の身体的な傾向は、
1)精神的・肉体的な強い負担がある
2)高血圧
3)高脂血
4)高血糖
5)肥満
6)免疫力の低下

また生活習慣的な特徴としては、
A)夜型生活
B)運動不足
C)高カロリーな食事を好む傾向
D)微量元素・ビタミン不足
E)厳しい競争社会によるストレス過多
が挙げられるとのことです。

これを聞けば私たちの目には、ほぼ典型的なメタボリックシンドロームの状況と映ります。

一方、米国に目を向けてみれば、こちらはBMI(*)が33以上の人口が全体の3分の1という凄まじさです。

(* Body Mass Index: 体重 (kg) ÷ 身長 (m) ÷ 身長 (m)で求められる値。体重100 kg 身長170 cmの場合なら、BMIは 100 (kg) ÷ 1.7 (m) ÷ 1.7 (m) で、34.6と計算される。)

日本は全体の30分の1、つまり米国の10分の1程度です。

ものすごく軽微。

日本はBMI値の観点からはすでに世界有数の優等国であり、現に平均寿命は常にトップクラス、特に女性の世界第一位の地位はゆるぎないものです。

その日本でどんな警告が発せられているかといえば、「メタボ状態にある人が940万人、その予備軍が1020万人。合わせて2000万人弱」。

世界最高の優等国にあってこれだけの警戒をしているわけですから、こと健康に関しては日本に住んでいるということが、もうそれだけでとても有り難いことのように思えてきます。

米国の場合は特にインテリ層というわけではなく、特にファストフードの消費が多くなりがちな貧困層に類する人たちの肥満が、米国民全体の健康数値を悪化させているという特徴があります。

もっとも、栄養吸収に働くホルモンであるインスリンの分泌量が、人種によってかなり差があるようですので、これ(インスリン量)が相当高い西欧人と一概の比較はできませんが、中国人と日本人のそれは生物学的に似ていると考えられますので、やはり中国の状況は典型的なメタボリックシンドロームだと想像されます。

従って、日本のような診断基準が中国でも提示され、実践に移って行ければ相当に状況が解消することは間違いないでしょう。

逆にそうしなければ、20年後の中国は糖尿病や動脈硬化、心不全、腎不全などの慢性疾患の巨大なポピュレーションが積み上ってしまい、その医療費や介護に要するコストは、中国一国における負担では済まないような地球規模の負の影響となって世界に波及すると考えなければなりません。

日本の総人口の何倍もの人たちが寝たきりになった状況を根本的に救う方法はついに見つからないのではないかと思われるほどです。

現在、日本も雇用や国家財政の問題で相当厳しい状況にありますが、健康問題についてはコストをかけずにQOL(生活の質)を向上させる実践論において、私たちは世界の指導的役割を担う有資格者になれるのではないでしょうか。

これは、エネルギー問題や環境問題と並んで、今後日本が世界を主導してゆく分野の一つと考えて良いと思われます。

次回の更新は12/3(木)です。