2006/06/16 カテゴリ: メタボリックシンドローム : 

「メタボリックシンドローム」論議の空洞化 (3)

(前回からの続き)
「・・・エネルギー過剰状態、特に高脂肪食が続くと、脂肪細胞は肥大し、その脂質貯蔵能が低下するのみならず、インスリン感受性を有する善玉アディポカインであるアディポネクチンの合成・分泌の低下、(中略)アディポネクチンの作用低下によるAMPキナーゼ活性の低下から、肝臓や骨格筋での中性脂肪含量の増加、レジスチン、TNFα、遊離脂肪酸の分泌増加は、SOCSタンパク質の誘導、JNK、IKKβ(IχB kinase β)、PKCθ(Protein kinase cθ)の活性化を介し、インスリン受容体基質であるIRS-1、IRS-2のチロシン酸化が低下しインスリン抵抗性が誘導される(生化学会誌 78巻 (3) 210戸辺ら、より引用)」



まるでお経のようじゃありませんか。

もちろんこのように複雑な解説をそのまま一般の新聞などに載せるわけにはゆきません。

また、このような専門的な内容が理解できたとしても、「では、具体的に何を目標に健康管理すればよいのか」、ということになると、明快に答えることは従来難しかったわけです。

「血中のアディポカインの量を測ればよい」というようなことは、理屈では正しくとも、誰にでもすぐに実行できるわけではありません。

以上の部分は、いわゆる宗教哲学における「悟り」のようなもので、教祖(それを専門とする学者)以外に、これを追求する意味はありません。

あえて誤解を与える言い方をすれば、「お腹回り男性85cm、女性90cm」は、“専門的内容(お経)”から還元された“メッセージ(念仏)”ともいえる、「ありがたい基準」です。

(つづく)次回の更新は6/20(火)です。