2011/06/16 カテゴリ: 男性の不妊 : 

脂肪のエネルギーがたくさんの健康な精子を作る

ともあれ、精子がカエルという高等動物の幼生(オタマジャクシ)と同じような形を獲得するためにはかなり手の込んだ工程が必要になります。

精子は当初は「精原細胞」という形態的にさして特徴のない細胞から始まり、分裂を繰り返しながらその数を増やし、かつ、あのユニークな形を整えてゆくのです。




精原細胞は睾丸で作られますが、初期の細胞分裂はその周辺にある副睾丸という臓器に送られて進みます。

副睾丸を解剖図などで見ると、一見小さな臓器なのですが相当多重に織り込まれていて、それらを広げるとなんと全長6メートルにもなります。

小さな細胞が数メートルを移動するためには2週間もの時間を要します。

この長い時間がポイントになります。

つまり、始めたった1個だった精原細胞が分裂を繰り返し、最終的に精液1ミリリットルあたりに5,000 〜 6,000万個を含むようにまでなります。

そして数ばかりではなく、きちんとした形を整えることも重要なプロセスです。

また、形がまともに見えても、卵子に向かってどんどん真っすぐに泳いでゆく「遊泳能力」を備えることも重要な条件になります。

実際、精子を顕微鏡で観察すると、頭と尻尾が離れてしまっているもの、形が歪んでしまっているもの、まともに見えても動きの鈍いもの、くるくると同じところを回るような運動しかできないもの、こういったものがたくさん混じっているのが見えます。

これら、/瑤足りていること、形が正常であること、きちんと泳げること、という3つの条件を揃えること、これだけの仕事をするためには非常に長い時間がかかります。

と同時にそれを完遂するためにはとても大きなエネルギーが必要になります。

このエネルギーの源泉が脂肪だということです。

それだけの脂肪を細胞内の発電所であるミトコンドリアに運搬するためには継続的に相当な量の L-カルニチンが必要になります。

これこそが、「L-カルニチンが精子細胞の周辺に超高濃度に含まれている理由」そのものだと考えられます。


次回の更新は6/23(木)です。