2011/11/10 カテゴリ: つれづれ : 

健康常識の変遷4(コレステロールは低いほどよい)

コレステロール値が非常に高い状態が長く続く場合に、血管内にアテロームという塊が蓄積し血管の流れが悪くなったり血管壁が硬くなったりします。

これが動脈硬化であり、糖尿病と並んでメタボリックシンドロームにあるいくつかの(好ましくない)終着点のひとつです。

こういう状態になった場合にどうすべきか、ということを考えることもさることながら、そうならないようにすることが重要です。

ところで、コレステロールについてこのようなイメージが強いために、コレステロールというものは体内に少なければ少ないほどよいのだ、といったことが一般に信じられるようになりました。

実際には、体内には何種類ものコレステロールの仲間が存在し、大切な身体組織を形成していたり、ホルモンの原料物質として必要不可欠な役割を果たしていたりしますから、そういう意味では「コレステロール撲滅すべし」といったようなことがナンセンスであるということは専門家であればだれもが心得ていたことです。

けれども昨今では「コレステロールが低いと短命である」ということにも証拠が多々あがるようになってきました。

いったい何が正しいのか?ということになりますが、この問題については現在専門家の間でも意見が対立している状況です。



目下のところ私が「信用できそう」と考えているのは、「高すぎても低すぎても具合が悪い」という中庸説です。

前述のように「コレステロールは身体に必須の構成成分である」という事実と、「コレステロールが多すぎる人は動脈硬化になる」という事実を考え合わせればおのずと中庸説が導かれそうですが、実際、「ほどほどがよい」ということを直接示すデータも存在します。

高脂血症薬というジャンルの医薬品はまさにこのコレステロール値が高い時に処方される第一選択薬というわけで、世界中で使用されている数量も半端ではないのですが、「ちょうど良い程度のコレステロールレベルまで下げてしまうのではないか」ということが昨今しばしば議論に上るようになりました。

この問題はまだ健康常識の変遷とまで言ってよいことかどうかわかりませんが、私としては今後もっと進んだ知見が積み重ねられてより「加減のきいた」使用方法が開発されることを期待したいと思っています。

次回の更新は11/17(木)です。