2012/11/08 カテゴリ: L-カルニチンについて : 

おどろくべき反射神経(5)

私は小さな水槽に熱帯魚を飼っています。

カーディナルテトラという体長2センチ内外の淡水魚で、身体には光の反射を受けてきらきら輝く青と赤のすてきなツートーンストライプをもっています。










およそ20匹くらいが泳いでいますが、エサとしては乾燥したカツオブシのような感じのフレーク状になった熱帯魚専用のものを与えています。

エサを入れるときには手のひらの上でフレークを2ミリ四方くらいの大きさになるように細かくしてからパラパラと水面に振りかけるように落として行きます。

水面に向かっては、水流ポンプから小さな滝のように水が落ちるしくみになっていますので、その「滝」の力でエサの小片が水中に雪のように舞い落ちてゆきます。

最初に2−3匹が気付くと、まもなく我も我もと集団のすべてが大わらわになって降ってくるごちそうを追っかけ始めます。

エサは雪のように舞い落ちると書きましたが、一つ一つの断片は実際にはけっこう速い速度で不規則に移動しています。

これを目にもとまらぬ速さで遊撃し、魚たちは片端から食べつくして行くのです。

20匹ほどの小魚が総力を挙げてくらいついてゆくことで、水深30センチほどの水槽の底まで捕獲されずにたどり着けるエサはほとんどないほどになります。

ここにも類まれなる動体視力が働いているはずです。
面白いことに、美しい小魚たちはもっぱら素早く移動するエサにしか興味がないらしく、たまさかフワーっと漂っているようなエサはほとんど無視しています。

これは恐らく自然界において「素早く動きまわる対象」だけを獲物と認識するような視力が発達しているからだと思われます。

これに似たことはハエなどの昆虫にもあるそうで、慣れない手つきでハエを叩こうとしても彼らの目にはそれがスローモーションのように映じて楽々と逃げてしまいます。

けれども超スローモーションで近づいてくる相手に対してはその動きが察知できないのです。

カメレオンが一見蝋人形のような態勢を保っているようでありながら、射程におさめた獲物に向かってあの長い舌を繰り出す速度はめっぽう速い、この事情は昆虫の視覚能力に対応しながら非常に上手に動作を使い分けているということだと思われます。

のっそりしたコマ送りのような動きのカメレオンはハエには認識できないので、結局至近距離に追い込まれてつかまってしまうというわけです。

そういえばヒトにとっても時計の針などは止まっているように見えます。

生き物によってはその緩慢な動きを緩慢と思わずに感じ取れるものもいるのかもしれません。

ひょっとしたら植物にはそのようなセンスがある可能性もあるでしょう。


次回の更新は11/15(木)です。