2013/01/24 カテゴリ: スポーツ : 

トレーニングは肉体改造

運動選手がトレーニングを積み続けることによって、それぞれの競技特有の体型を獲得するようになります。

これは生物学的には「適応」といわれるものです。







イルカが魚の形を獲得した哺乳類であるという場合も代表的な適応ですが、これはむしろ進化による適応であり、その特徴は遺伝子によって子孫に伝えられます。

それに対し、運動選手の体型変化などは遺伝子そのものの配列が変化しているわけではなく、ある遺伝子を読み取られる頻度の後天的な差異に基づくため、次の世代にそのまま単純に遺伝することはありません。

わかりやすい変化を示す臓器は筋肉です。よく使う筋肉が発達し、それぞれの競技に適した肉体構造が作られて行きます。

逆に肉体構造が作られた結果、その競技での競争力が高まるということも言えます。

例えば重量挙げ選手の体躯は頑丈であるのみならず、概してずんぐりして見えますが、重量物の付加をかけ続けることによって下肢の縦方向の成長が抑制される結果、そのような見かけになるということがあります。

と同時に、その結果として重心が低くなることによってより有利にバーベルを上げられるようになるため、よい記録を生み出すことができるようになります。

筋肉の付き具合や骨格の大きさといった特徴は体構造として目に見えやすいものです。

またトップクラスの長距離ランナーの身体には無駄な筋肉も脂肪もないかのようにものすごくスマートです。

長距離を有利に移動するためには車でいえば「燃費」がよいかどうかがかなり重要ですから、身体が軽い人は有利になります。

あと必要な要件はそのスレンダーな身体にできるだけ効率よく「燃料」を蓄えられるということがあります。

さらに、その燃料をスムースにエネルギーに変えるしくみにも適応が進みます。

この燃料をコンパクトに蓄えられる身体の構造がいかなるものであるかについてはまだ決定的な研究は進んでいないと思われますが、恐らくは糖質エネルギーであるグリコーゲンを筋肉細胞や肝臓に格納する能力が、優れた長距離ランナーでは高まっているものと考えられます。

あるいは糖質と脂質のエネルギーの消費比率を絶妙にコントロールできるような仕組みも発達している可能性もあります。

最後の「燃料をスムースにエネルギーに変えるしくみ」作る上でポイントになるのは細胞の中にあるエネルギージェネレーター、ミトコンドリアです。

長距離ランナーではこのミトコンドリアが豊富に存在すること、またそれらミトコンドリアが頑丈で長く働き続けられることなどが要件となっているはずです。

L−カルニチンはこのミトコンドリア(いわば発電所ですが)を丈夫な状態に保ち、「発電効率」や「絶対発電量」を確保する上において重要な働きをしていることが最近の研究でわかってきました。

ミトコンドリアの健全性を保つことの重要性はスポーツ選手に限らず中高年の健康にとってもとても大切なことです。


次回の更新は1/31(木)です。