2016/04/14 カテゴリ: 知っておきたい健康知識 : 

活性酸素

活性酸素という言葉を聞かれたことがあるかと思います。

「活性」とは化学的に反応しやすいことを意味しますが、体内でこれが存在するといろいろな「わるさ」をすることが知られています。

そもそも空気に20%程度含まれている酸素はすでに活性酸素の一種です。

活性だからこそ、酸素のあるところで油や紙に火をつければボッと燃えるわけです。

私たちのからだの中では炎こそでませんが、細胞の中のミトコンドリアという燃焼炉の中で音もたてずに24時間ちらちらと燃えています。

そのおかげで体温は保たれ、心臓が拍動し、五感(あるいは第六感も!)を働かせることもできます。

けれども一方では活性酸素の挙動によって私たちの細胞の膜が傷つけられたり、遺伝子が分断されたりというような影響を同時に受けています。

恩恵あるものには必ずデメリットもあるものですが私たちヒトをはじめ酸素という便利なものを利用して生きるようになった生物はこの活性酸素と戦うことを宿命づけられています。

体内には活性酸素を消し去るために例えばSODという酵素が作られており、休みなくあちこちで火消しに奔走してくれています。

あるいはビタミンCやEのように食品として食べるものの中に活性酸素を消し去ってくれる成分が含まれていて、それを利用することもできます。

昨今有名なポリフェノール類やコエンザイムQ10、α‐リポ酸、カロテノイド色素などのサプリメント成分も食品に含まれている抗酸化剤の一種です。

ところで宇宙に出ると、地球とはちがって強烈な放射線が飛び交っています。

放射線はそれ自身DNAなどを攻撃する力がありますが、身体内では活性酸素を発生させるもとにもなります。

地球は大きな磁石のようなものなので、いわゆる磁場というバリアに囲まれています。

このバリアのおかげで放射線の影響はかなりやわらげられていますが、その外に出ればとたんに危険な状況になります。

宇宙飛行士は終始過酷な放射線に曝露されることになります。

おまけに呼吸に必要な酸素を絶やさないためにかなり高濃度の酸素が送りこまれる環境に居続けなくてはなりません。

そんなわけで宇宙飛行士は活性酸素と戦い続けなければならないわけです。

いわゆる医薬品でこれに対応することはできません。

そこで食品成分を摂取することでこの対策にしようという研究が進められています。

物理学の法則を使って宇宙ロケットを打ち上げる技術に比べればとても簡単なことのように思われますが、実際その効果を実証することは容易ではありません。

宇宙にいるヒトを被験者とした臨床試験など、そうそうおいそれとは計画することができないからです。

しかし徐々に研究は進められていますので、やがてその成果を地球上の私たちが享受できる日も遠くはないでしょう。


次回の更新は4/21 (木)です。