2016/07/14 カテゴリ: 健康 : 

くよくよするなよ

アメリカのフォークシンガー、ボブ・ディランの作品に『くよくよするなよ』という歌があります。

原題は”Don’t think twice it’s all right”です。

そのまま訳すと「二度と考えるな、それはもういいよ」という感じになるのでしょうか。

済んでしまったことを思い出すのはよせ、ということなのでまさに『くよくよするなよ』です。

ところで昨今研究が進んでいる脳科学の分野では、ある種の危険なストレスが単に気持ちの問題というよりは脳神経を損傷してしまうようなパワーを持っているということがわかってきています。

そのために、たとえば何かストレスのありそうな想念が浮かんだ時に「三秒息を吸い、二秒止め、五秒かけて吐きだす」という呼吸法(マインドフルネス)が開発されています。

この効果は呼吸を意識することで「過去の記憶」から「今現在だけ」に思いを向けられるようになるところがポイントです。

過去というのは30年前のものであっても3秒前のものであっても同じことです。

つまりイラっと来た瞬間があればそれもあっという間に過去のこととみなして思いをそらしてしまうことができますし、もっと時間が経過したおもしろくないできごとを思い出している瞬間を消失させることもできるということです。

しばしば人間はため息をつきます。

過ぎてしまったことを何度も何度も思い返していると、そのイメージはどんどん鮮明になり、あたかも今現在大きなストレスにさらされているような気持ちになってきます。

そんな想念が高じてきたときにため息が出ます。
はたから見ていると「この人なんでため息ばかりついているのだろう」となるわけですが、当人にとっては深刻です。

「ため息」がどういうときに発せられるかということは科学的に証明されていないと思いますが、これも一種の呼吸のあり方ですから恐らく何らかのストレスのガス抜き反応なのかもしれません。

くよくよする、ため息をつく、後悔する、ということは反省するということとはちがいます。

反省というのはどこか客観的で、それ(一種の分析による気持ちの整理)が済んだら感情に絡む部分はもう忘れてしまってもいいんだという、そんな割り切れる性質のあるものです。

ですから反省からうまく学ぶことができれば「次からの行動」に生かすこともできるでしょう。

それからするとため息や後悔というのは(極めて人間的ではありますが)今日を生きるという観点からすればほとんどメリットのない想念だと思われてきます。

もちろん他人にかけてしまった迷惑や取り返しのつかない失敗をしてケロッとしているのも如何なものかとおもいますが、現代人を悩ませているストレスは本来その人が一方的にかかえてしまうようなものが多いと思います。

ですから上手にこれらをいなしながら生きてゆく科学的なテクニックがあるのなら利用しない手はありません。

「ため息」ではなく「三秒・二秒・五秒」ですっきりと生きて行きたいものです。


次回の更新は7/21(木)です。