2017/02/10 カテゴリ: つれづれ : 

レジリエンス⇒何とかかんとかやっていく力のこと

あまり聞きなれない英語ですが最近レジリエンス(resilience)という言葉に行きあたりました。

アメリカ航空宇宙局(NASA)の健康に関する研究分野での文献を読んでいるときに何度もこの単語が出てきたのです。

ふつう辞書で調べると弾性とか弾力性、と出ています。

けれどもITの分野などでは「コンピューターのシステムのどこかに何らかの不具合が生じても全体的に何とか作動し続ける能力のこと」を指すという解説をしている書物もありました。

またITでなくても「障害又は誤りが存在しても、要求された機能を遂行し続ける事のできる、機能単位の能力」 といったもう少し幅の広い意味も含まれるようです。

NASAの文献では宇宙飛行士の心身がおかれるハードな諸状況をこのレジリエンスという語彙にこめているようでした。

つまり宇宙空間では重力がなく、空気がなく、一日のリズムがなく、放射能が多く、十分な食事がなく、運動が不自由で、閉塞空間で過ごさねばならず、具合が悪くなっても病院があるわけでもなく・・・と、飛行士の人たちは数え上げればきりのないくらいの過酷な条件に囲まれているのです。

その中で「万全の体調」「完全にノーマルな精神状態」で居続けることはまず不可能と言ってよいでしょう。

そういうときに「もっと体調がよくなってから〇〇をしよう」とか「今日は調子が悪いので☓☓はできない」というようなことを思っていたら全く任務が遂行できなくなってしまいます。

ですので、万全ではない状態でも何とかかんとかやってゆく、という前提に立ってさまざまな訓練やシミュレーションがなされるということです。

これはなかなかシビアなことですが、宇宙空間でなくても私たちが社会に暮らしている環境にもこのレシジリエンスを発揮できるように心身の構えをもっておくことは重要なことのように思えます。

のんびり、ゆったり、時間にも気持ちにも余裕が持てればそれに越したことはありませんが、現実にはどこかに何らかの不具合や心配事、不安などと共存することはなかなか避けがたい日常に置かれています。

体調不良、睡眠不足、情緒不安定などなど、そういうものをうまくいなしたり、回復させるコツをつかまえながら生きてゆく術を身につけること、こういうことはたとえば誰しも高齢になる命運にある現代人には不可欠な生存スキルであるように思われます。

レジリエンスという言葉について、私はこれを「しなやかさ」と訳したいと思いました。

硬直、強直の反対の意味になります。

直面が避けられない困難には心身ともに強直に立ち向かうのではなく、できればしなやかに乗り超えて行きたいものだと思います。


次回の更新は2/16(木)です。