2017/02/16 カテゴリ: 健康 : 

眠りが不安を消化する

ここのところ精神科医によって書かれた本をいくつか読んでいます。

ひとつは西多昌規さんの『「テンパらない」技術』という本です。

ここで出会った面白い表現の中に「イヤな記憶は、睡眠中に「脳で消化」される」というものがありました。

十分な睡眠をとることで、不愉快な記憶は消化されて、そのうち気にならなくなっていく、自発的には思い出すことはなくなっていく、そのような合理的な脳のメカニズムがあるという指摘です。

食べ物のように脳が消化してくれる(原型を留めなくなる)、ということはもちろん比喩ですけれども、イメージとして少し気が楽になるように感じます。

もっとも、考えてみればそれには十分思いあたることがあります。

365日イヤな記憶の再生を抑えることができなければ人はたちまちノイローゼになってにっちもさっちも行かなくなるはずです。

世の中にはとんでもなく悲しい目に遭われている人が大勢いらっしゃいます。

天災の犠牲にせよ、理不尽な人災にせよ、もし自分だったら到底生きて行けないだろうなと思うようなことが必ず毎日ニュースで報道されています。

けれどもそんな災厄にみまわれた人がことごとくそれを気に病んで人生をやめてしまうのかというと、そんなことはありません。

大半の人がやがて、時間とともに何とかして立ち直って行かれます。

これはそういったよい意味での忘却のメカニズムが働いていないと説明できない現象だと思います。

逆に良いことも忘れてしまうのかもしれませんが、こちらの方にしてもやはり忘却がなければかえって邪魔になってしまうのではないでしょうか。

ともかくそういう心の平静を保つために睡眠が果たしている役割は大きいということです。

毎夜、忘却によって心の平静を少しでも取り戻すのだ、と思って眠りに入れるなら、ちょっと翌朝が待ち遠しい気持ちになれるかもしれません。


次回の更新は2/23(木)です。