執筆者の紹介

王堂 哲
ロンザジャパン社勤務。

L-カルニチンに限らず、すぐれたサプリメントがきめ細かく研究され、正しく用いられながら日本人のQOL向上に役立つことをテーマとして活動している。


下記「お気に入りに追加」ボタンをクリックするとブラウザの「お気に入り」に自動追加されます。(Internet Explorerでのみ有効)


2017/04/27 (9:00 am)
先日ある週刊誌に、トクホとして販売されている難消化性デキストリンなどを含む健康食品について「実は効かない」とする記事が二週にわたって掲載されずいぶん話題になりました。

私も読んでみましたが、どうもトクホの根拠になっている論文を有識者(大学の名誉教授の人など)が調べたところ、脂肪の排出促進などに関する件の論文の有効性データが不十分だということのようでした。

そのトクホのコーラの「脂肪排出力」を信用して毎日飲み続け計算してみるとなんと36万5000円もの資金をつぎ込んでいた人がいるそうです。

その人は毎日1.5リットルのペットボトルを飲み続ける日々を送ってきたそうですが、「効かない」とする週刊誌の記事を読んで愕然とし、はげしい怒りが込み上げてきたということです。

私はこの記事を読んで特に驚きはしませんでしたが、随所に問題はあるなという気はしました。

まず、そういうトクホの認定を得るような商品の根拠になっている論文をどういうスタンスで理解するのかということがあります。

もちろん専門家の審査を経た論文ですから虚偽が書かれているとは思われませんが、医薬品にしても食品にしても「100 %効果があること」が示されることはありません。

また誰が、いつ、どんな条件で飲むのかということは予想できませんが、論文ではある一定の条件を設定せざるを得ません。

効き目を客観的に評価するために有意差検定という統計処理を行い、効いたのが偶然ではないということを示すルールになっています。

たとえば野球4割打者といえば間違いなく強打者ですがそれでも6割は凡退しているわけです。

トクホに裏切られたと逆上する人は、もしかするとその商品が10割の打率であると思っているのではないかと思います。

だからこそ毎日それを飲み続け、途方もない出費額になったということでしょう。

私はそういう事例に接して、そのメーカーが消費者を欺いているとは思いません。

私たちは朝起きてから寝るまでのあいだに実にたくさんのチョイスをおこなっています。

朝食に何を食べるか、運動不足だから少し早めに家を出て一駅分を歩くかどうか、昼食を中華にするか和定食にするかあるいは野菜サラダだけにするか、午後に飲むコーヒーにはフレッシュミルクと砂糖を入れるかどうか、夕食のときに酎ハイにするかハイボールにするか・・・

たとえば今から30-40年以上も前であれば、そういう選択は気持ちと食欲のおもむくままだったことと思います。

もしお医者さんの忠告などを受けて健康に留意している人があったとしても、そもそもトクホ製品など世の中になかったわけですからのどが渇けば缶ジュースやサイダーを買って飲むしかありませんでした。

現代社会はその点が充実してきており、選択肢に関しては相当なバラエティが生みだされています。

ある日ハンバーガーを食べながらたまにはコーラもいいな、と思ったとします。

そこでコンビニに行きますと「ふつうのコーラ」「ダイエットコーラ」「トクホのコーラ」などの選択肢が眼の前に用意されているわけです。

健康に気をつかっている人ならここで「トクホのコーラ」をやや高い値段を払ってでも選ぶ可能性は高いと思います。

そして実際「ふつうのコーラ」を飲むよりはいくぶんかでも健康留意に役立つ方向に進んで行くことができるでしょう。

こういうところ、つまり「柔らかいチョイス」にトクホというオプションが用意できること、ここにひとつの存在価値があると私は考えています。

36万円も払って飲みつづけた人が「実は効かない」という週刊誌の記事を読んで怒り心頭に達したというのは、そもそも健康ということに対する気構えが「厳しいようで甘い」と思うのです。

「健康はひとつのトクホ製品によって支えられる」などと信じて疑わない人は逆にその他の食習慣や運動習慣をどう心得ているのか問いたくなってきます。

もちろん供給する企業としては真摯に開発と研究を行い、できるだけ確実な効き目をめざすべきだとは思います。

そしてその意味で「考え方の甘い企業」が一部に存在することも事実だと思います。

さらにそういう実態について一面的な結論に向けて記事にしようとする週刊誌にも問題はあるはずです。

最終的には毎日のさまざまなチョイスに際して「どちらかといえば健康に良いのはこちら」という柔らかい選択をしながら生きてゆくこと、これが最も重要なことではないかと思います。


次回の更新は5/4(木)です。

  |  トラックバック数 (0)

このエントリのトラックバックURL
http://www.l-carnitine.jp/blog/modules/weblog/weblog-tb.php/654

毎週木曜日更新!健康に関するクイズ!
企業・研究者様向け“L-カルニチン”総合案内
本サイト運営企業。L-カルニチンの世界最大手メーカー
L-カルニチンサイト(英文)
id: 
pass:   
 
Copyright © 2005-2013 LONZA Japan.All Rights Reserved.