執筆者の紹介

王堂 哲
ロンザジャパン社勤務。

L-カルニチンに限らず、すぐれたサプリメントがきめ細かく研究され、正しく用いられながら日本人のQOL向上に役立つことをテーマとして活動している。


下記「お気に入りに追加」ボタンをクリックするとブラウザの「お気に入り」に自動追加されます。(Internet Explorerでのみ有効)


カテゴリ : つれづれ : 
2018/06/28 (9:00 am)
永遠の生命を持った生物はこの世にいるでしょうか?

こんなことを言うと「あるわけない」と思われるかもしれません。

でも実際にはたくさん存在しています。

バクテリア(細菌)はそのひとつです。

バクテリアは分裂して自分と全く同じ存在を作り出します。

遺伝情報が全く同じ、つまりクローンです。

十分な栄養素と温度、酸素などがあれば大腸菌は20分に1回の割合で自分のコピーを作り出します。

またこいつを凍結したり、凍結乾燥(フリーズドライ)したりすれば非常に長い期間眠りにつかせることもできます。

その意味で、彼らは永遠の生命を持つ存在です。

ヒトの細胞でもたとえばある種のガン細胞はシャーレの上で増やしたり保存したりすることができ、その点で細菌とよく似ています。

しかしこれを「永遠の生命」というには少し語弊があります。

どこかの人のあるがん細胞が同じ状態で増え続けたり保存されたりしてもそれがもとの人のようにものを考えたり、笑ったりすることはないからです。

ただ、その人の遺伝子が消滅することなく維持されているということ、それ以上のものではありません。

私たちのクローンが作られたとしてもそれが全くの同じコピーでない点は、たとえば脳に蓄積されている情報(記憶)が受け継がれないところにあります。

一卵性双生児の人たちは一種のクローンといえますが、それでも二人の人生が全く同じというわけではありません。

経てくる経験はそれぞれの脳に固有のものとして刻み込まれます。

生活環境に基づく生活習慣の違いによって健康状態も寿命も異なります。

ところで生物には本能というものがあります。

昆虫ではそのユニークさがはっきりわかります。

ミツバチは生まれてから死ぬまでの間、誰に教えられるわけでもないのに蜜をとったり、蜜のありかを仲間に教えたり、巣作りをしたり、社会性を発揮したりします。

この本能はある意味では種に備わっている記憶のようなものですが、その仕組みの根本はまだほとんど解明されていません。

一方私たち人間は言語を介して自意識を持つことのできる唯一の生き物です。

生まれてきたときはそれこそお母さんの乳首を吸う本能、泣く本能程度しかもたない真っ白な存在ですが、100年近くも生きると全くユニークで膨大な記憶を宿すに至ります。

幼稚園の運動場で遊んだ記憶を持っている人は少なくないと思いますが、そのような何の役にも立たないような記憶も完全には滅することなく100年近くも保持されるということは全く驚嘆すべきことです。

またそんなとりとめもない無数の記憶がふだん無秩序に起き上がることなく脳の中にひっそりと貯蔵されているという秩序(そして思い出そうとすればそれを思い出せるしくみ)にも畏怖の念を覚えます。

そして死。そこに到達するとどんな偉大な脳の記録もすばらしい記憶も一気に失われます。

それは残念にも思われますが、その人が自分の子供をはじめ、周囲に与えた影響は消滅することなく引き継がれます。

こういう記憶や記録、経験が何千年というオーダーで引き継がれることはヒトの大きな特徴です。

ベートーヴェンの脳の中で鳴っていた音楽が今もなおYouTubeですぐさま忠実に再現されることは奇跡でも何でもなく、ふつうに行われています。

そういう意味ではヒトもまた一種の永遠の疑似生命を持っているかのようです。

人の死は周囲の人々に大きな印象や衝撃を長きにわたって与えるものですが、そのような衝撃力もまた何かを子孫に残すため、私たちホモ・サピエンスだけに備わった特殊なしくみです。


次回の更新は7/5(木)です。

  |  トラックバック数 (0)

このエントリのトラックバックURL
http://www.l-carnitine.jp/blog/modules/weblog/weblog-tb.php/714

毎週木曜日更新!健康に関するクイズ!
企業・研究者様向け“L-カルニチン”総合案内
本サイト運営企業。L-カルニチンの世界最大手メーカー
L-カルニチンサイト(英文)
id: 
pass:   
 
Copyright © 2005-2013 LONZA Japan.All Rights Reserved.