執筆者の紹介

王堂 哲
ロンザジャパン社勤務。

L-カルニチンに限らず、すぐれたサプリメントがきめ細かく研究され、正しく用いられながら日本人のQOL向上に役立つことをテーマとして活動している。


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カテゴリ : 健康 : 
2018/09/06 (9:00 am)

身体の中の財務省・日銀・IMG・・・といえば?

肝臓という臓器は莫大なエネルギーを使いながらまさに身体の中の化学工場として24時間八面六臂の活躍をしてくれています。

中でも重要な働きのひとつはエネルギーのもとになる物質(燃料)を作り出す仕事です。

大別すると炭水化物(グリコーゲン)と脂肪(長鎖脂肪酸)を作っています。

ただしこれらが同時に作られることはなく、順序としてまずブドウ糖を組み上げてグリコーゲンにする仕事が優先されます。

ところがこのグリコーゲンは貯蔵量にして50 – 60 グラム、子供用のお茶碗に一膳分くらいの量にすぎません。

そのグリコーゲンの貯蔵が満杯になると、今度は余ったブドウ糖を使って脂肪を作りはじめます。

脂肪は肝臓で作られるのですがグリコーゲンのように貯蔵しておく場所があるわけではなく、VLDLというタンパク質にくるまって腸間膜や皮下に輸送されそこで秩序立って蓄えられます(内臓脂肪と皮下脂肪ですね)。

肝臓でのグリコーゲンの貯蔵量が数十グラムであるのに対して、貯蔵脂肪の方は体重の30%を軽く超える場合もあります。

たとえば体重100キロの人でも肝臓グリコーゲンの貯蔵量はやはり数十グラムですが、この人の体脂肪率が30%であればじつに30キロも蓄えられているのです。

一般的に体重の1%の体脂肪が存在すればそれで2日分の燃料に相当します。

ですから30%体脂肪を持っていれば60日分は生きて行けるということになります。

これは肝臓のグリコーゲンが数時間から十時間くらいで電池切れになるのとは対照的です。

ところで計算によればその日必要とされるエネルギーよりも100グラムブドウ糖(ごはんやパンなど)を余計に食べた場合、これは約30グラムの脂肪に変化します。

1日あたり30グラムづつ、1000日間(たとえば3年ほど)着実にたまって行けば、それが30キロ分のドテッ腹となって堂々たる存在感を示してくるというわけです。

遠慮せずに食べ続ければ体脂肪はほとんど無尽蔵に貯金され続けることになります。

逆もまた真なりで、必要量より100グラムほど炭水化物の摂取量を少なくし(これはそれほど無理をしなくても実現できるローカーボダイエットですが)、3年間を過ごせば1年間に10キロ、1か月に833グラムの減量が可能という計算になります。

この程度のペースの減量プログラムは安全性も高いといえるでしょう。

とどのつまり、お茶碗1杯分くらいのご飯を余計に食べるか控えるかで何年か後に差し引きのっぴきならない差が出てきてしまいます。

ところで、わずか数十グラムにすぎない肝グリコーゲンの貯蔵量ではありますが、これを確保するためには肝臓は手段を選ばず、絶食の状態になると遠慮なく筋肉を溶かし、何としてもグリコーゲンを確保しようとします。

まさに身を削っての燃料確保なのです。

ちなみに、完全絶食の状態では一日に200グラムもの筋肉タンパク質が溶かされてブドウ糖からグリコーゲンに変えられます。

これもひとえにブドウ糖が脳や赤血球という生命線を支えるために必要不可欠な成分であるからにほかなりません。

太るという現象のタイムスパンは長く大らかなものですが、いったん飢餓や疾病で痩せの状況に陥ると文字通り生命が脅かされるので、こちらは時間との闘いに近い様相を呈します。

肝臓は緊急時の備蓄にも常に備えながら、喫緊のエネルギー需要にも瞬時に対応してくれます。

経済市場ならぬ身体のエネルギー市場の様子をリアルタイムで見分けながら、まるで財務省・日本銀行・IMFのように淡々粛々と精密無比な仕事をこなし続ける、肝臓は実にパワフルでクレバーな臓器です。

感謝!


次回の更新は9/13(木)です。

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