執筆者の紹介

王堂 哲
ロンザジャパン社勤務。

L-カルニチンに限らず、すぐれたサプリメントがきめ細かく研究され、正しく用いられながら日本人のQOL向上に役立つことをテーマとして活動している。


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2019/01/17 (9:00 am)

「どちらかといえば」〇〇によい

統計学というのは便利なもので、それを使うとあることが偶然起こったのか必然的に起こったのかを数字で判断することができます。

よく使われるのは危険率5%というちょっとおっかなそうな値ですが、これは100回に5回以上おこったことは偶然性が高い、100回に5回未満でしかおこらないことであれば偶然とは思い難い、ということです。

この「偶然とは思い難い」という文学的な言い回しは論文などでは通常「統計的有意差がある」と言われます。

これはしかしながらどこかで線引きをする必要があることから慣用的に5%という数字が用いられているだけの話で、計算上10%と出たならそのように記載してそんな傾向がある、とコメントしておいてもよいのです。

ところで、コーヒーや緑茶が血圧や生活習慣病のリスクにどれほど影響するかといった問題を検討するときによく使われるのが「疫学的手法」といわれるものです。

これは相当大勢の人を対象に、また長い時間ある食品を食べ続けた集団と食べていなかった集団を比べ、そこに前述の有意差があるかないかを調べるのです。

これまで何度もそういうことが行われていますが、緑茶やコーヒーあるいは味噌汁や赤ワイン、カカオ高含量のチョコレートなどにはたしかにある種の健康効果が「有意に存在する」ということが知られています。

逆にそれを習慣的に行うことが有意に有害であるということで有名なのがタバコの害です。

仮に緑茶なら緑茶が血糖値を下げる効果をもっていることが統計学的に確からしいと結論されたとします。

ですが、今飲んでいる一杯の緑茶がたちどころに血糖値を良くしてくれるのかというと実際にはそんなことはありません。

相当長きにわたって飲み続けた場合にそういうことが起こるらしい、それは偶然ではないくらいそうなる、ということです。

タバコの害がそれほど明らかなものであれば街の喫煙コーナーを設けたりタバコそのものを販売したりするということはたちどころにウムを言わせず「全面禁止」にしなければおかしいはず。

でも実際はそうなっていない。

「つまり少々タバコを吸ったってすぐにガンや心臓病になることはない」ということです。

つまり血圧によいとか血糖値によい、ガンになりやすい、といわれる食品や行為なるものは「どちらかといえばそうだ」というくらいに解釈しておくのが妥当、そんなふうに思われます。

ですからあまり神経質になって食養生や禁酒禁煙などをしすぎるということは正解ではないのではないか、と私は考えています。

ただし「これ」を食べると血糖値が上がりやすいのか上がりにくいのか、「それ」を食べると血圧に良いのか悪いのか、「あれ」を飲むと目に良いのかそうでないのか、そういうことが研究の結果判明しているものがあるのであれば、そういう知識を身に着けておくことは決して無駄なことではないと思います。

なぜなら、私達の日常はそういった選択肢に満ちているからです。

食パンや白飯をガンガン掻き込むことは(どちらかといえば)血糖値を上げやすい行為である、野菜を最初に食べれば(どちらかといえば)穏やかになる、こういうことを知っていて実行することが習慣になっている人はそうでない人にくらべて長い時間の中ではずっと健康を維持しやすくなるでしょう。

今日の結論:
食品の効果やタバコ、飲酒などの害はちょっとくらいでは「何ともない」、けれども積み重なれば相当な結果を伴って現れてくる。だから〇〇がある身体状況に照らして「どちらの方向に行くのか」をたくさん、正確に知っていればいくぶん有利。健康食品などもその程度のもの、と思っていた方がよい。たかが食品、されど食品。

さあ今日は何を食べますか?


次回の更新は1/24(木)です。

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