執筆者の紹介

王堂 哲
ロンザジャパン社勤務。

L-カルニチンに限らず、すぐれたサプリメントがきめ細かく研究され、正しく用いられながら日本人のQOL向上に役立つことをテーマとして活動している。


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2019/02/21 (9:00 am)

「ほどよい付き合い」が大事、ブドウ糖!

ブドウ糖についてはこのブログでも何度か考えたことがあります。

今もよくこれについては不思議に思うことがあり、興味はつきません。

ブドウ糖は基本的に甘くておいしいものです。

そして簡単にエネルギーとして体内で利用することもできます。

これは昆虫からヒトからなんでも同じです。

昆虫どころかバクテリアの多くもブドウ糖を利用します。

しかしながら糖というもの、これらの多くは分子の中にアルデヒドという構造を含んでいて、これはとても反応に富む生体にとってはかなり危険な分子なのです。

二日酔いの原因物質であるアセトアルデヒドもかなりの悪役ですが、ブドウ糖のアルデヒドもなかなか油断がならず、たとえばタンパク質と不用意に触れ合うとパッとくっついて「糖化」という反応を起こしてしまいます。

たとえば赤血球のヘモグロビンがブドウ糖とくっつくとヘモグロビンA1Cというものにかわります。

ヘモグロビンは赤血球の中で酸素を運搬する役割をもった大切なタンパク質ですが、これにブドウ糖がくっつくと埃(ほこり)がついた洋服のようになって非常に具合が悪いのです。

赤血球は約4か月間身体の中で仕事をしますが、この間に大切なパーツが埃まみれになってしまうケースがあります。

それは血液中のアルデヒド、つまりブドウ糖が多すぎる場合です。

糖尿病はそんな病気です。

ところで糖類の中でも炭素が6つでできている6単糖類というものは種類も多いのですが、この仲間(異性体)の糖は16種類もあります。

ブドウ糖がダントツに有名ですが、その他ではガラクトース、マンノースなどがあります。

これらの糖もぜんぶアルデヒドをもっています。

ところが「アルデヒド」の姿をしている時間はブドウ糖が最も短く、その意味では6単糖類のなかで最も安全な糖はブドウ糖、ということになるのです。

皮肉なことにその赤血球はブドウ糖しかエネルギー源として利用することができません。

ですから、そういった「埃のもと」にもなるブドウ糖は赤血球には欠かせないパートナーでもあるわけです。

このあたりがブドウ糖の実におもしろいところです。

よいパートナーシップを築くためには「つかず離れず」ということがコツでもありますが、赤血球とブドウ糖もまさにそんな感じです。

そういうわけで血液中の糖は実に精密に、「血液100ミリリットルに100 mg弱溶けているとき」が最も良い関係になるようにコントロールされています。

それよりも少なくなると低血糖となって命に係わるような不都合がおこります。

それよりも高い状態が続くと糖尿病になって血液そのものがほこりまみれになってしまいます。

糖質制限というのはダイエットのため、という考えがポピュラーだと思いますが、実際にはこの「つかず離れずの距離」を保つためにこそ重要なのだと考えてみることもできます。

そんな目線で現代の食料事情を振り返ってみると、そんなことはおかまいなしに炭水化物、糖質で街は溢れかえっています。

これは大いに考えさせられる状況です。


次回の更新は2/28(木)です。

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