2019/07/04 カテゴリ: L-カルニチンについて : 

骨格筋だってけなげです

沈黙の臓器といわれる肝臓が実は全く沈黙などしておらず、片時もなく働いていて、なおかつ苦労してつくったさまざまなものを自分では使うことなくほかの臓器に進呈するといった独特のけなげさについて前回お話ししました。

今回は骨格筋(いわゆる筋肉)のけなげさについて考えてみたいと思います。

肝臓も大きな臓器ですが、人体最大の臓器となるとそれは筋肉です。

筋肉はふつう沈黙の臓器だとは思われていないでしょうが、実は一日のうち多くの時間この臓器は沈黙しています。

じっとしているのに筋肉が「沈黙していない状態」というものにはたとえば「ふるえ」があります。

寒くなるとふるえを起こして熱が生み出されます。

このときにはエネルギーを消費して熱に変えているわけです。

もし全身のふるえが長時間止まらなければ身体中のエネルギーはあっという間に枯渇してしまうでしょう。

一方、何もしていないときの筋肉はいわば「アイドリング」の状態にあり、いざというときにいつでも怪力が出せるようになっています。

ここがなかなか妙味のあるところで、ヒトといえども「動物(動く物)」として外的から身を守るために完全にエンジンを切ってしまうわけにはいかないのです。

こういうアイドリング状態にあるときにはほとんど「脂肪」がエネルギー源として使われています。

脂肪が燃焼するために必要な物質がカルニチンなのですが、このようなアイドリング状態のときにこそカルニチンは働き続け、音のないアイドリング状態を維持しているのです。

アイドリングはいざというときのためのスタンバイ状態でもありますが、同時に「エンジンをあたためておく」状態ともいえ、ミトコンドリアでエネルギーを生み出しながら体温を保っておくということは即ち生きてゆくことにほかなりません。

ということは必要な時はもちろん必要ですし、必要でないと感じているときにも実は営々とメインテナンスにはたらいている、筋肉は一日のうちほとんどの時間をこのような地道な努力に割いているのです。

なお、この筋肉も30歳代あたりをピークとして一年間におよそ1パーセントづつ減ってゆきます。

これは広い意味での老化、老衰現象の一種なのですが、筋肉は「減ってゆく」ということについてもけなげな貢献をしています。

次回はそんなことについて考えてみたいと思います。


次回の更新は7/11(木)です。