2019/08/22 カテゴリ: L-カルニチンについて : 

血液の中を常に行き来しているL−カルニチン

健康診断では必ず静脈から血液が採取されます。

そこでTGやAST、LDL、BUNなどといった多くの項目に関する血中濃度が調べられ、それらが正常域にあるのかそれよりも高いのか低いのかといったことが評価されます。

こういった項目は「生体常在成分」といって常に体内に存在しているものばかりです。

たとえば風邪の時にアスピリンを飲むとか、治療のために抗がん剤が投与される場合、そういった医薬品成分は時間とともに血中濃度が上昇、次いで下降し、最後には消失していきます。

これはそういう医薬品が「生体常在成分」ではないこと、つまり身体は、体内に入ってきたこれら「異物」を排泄しようとすることを意味しています。

L−カルニチンは体内に常に存在しているのみならず血液中に一定量流れている成分です。

常に尿中に排泄もされていますが、それでも絶対になくなることはありません。

これは主に肝臓で常に作られているL−カルニチンが筋肉など他の(L−カルニチンを自ら作れない)臓器に送り届けられる、そのときに血液というルートが利用されるからです。

L−カルニチンの血中の濃度には個人差がありますが、その人その人によってだいたい決まった値を持っています。

ですから継続的にL−カルニチン濃度を測り続け、その濃度が一定であることがわかればその人の肝臓や腎臓、筋肉などはまず健康だと判断できるはずです。

大学生など若い年齢層の人でも血中濃度が高めの人、低めの人がありますが、いずれも健康ですから、L−カルニチンの場合は「個々人の調子のよい時の値」のようなものがあるのだと思います。

そういう情報がまだ十分蓄積されていないため今のところL−カルニチンは血液検査の項目には入っていませんが、これから知見が深まっていけば重要な数値として利用できるようになることと思います。

最近和洋女子大学での研究により、高齢の人の場合しっかりした自立生活をしている方の血中L−カルニチンの濃度は、虚弱な状態にある人よりも高いことが明らかにされました。

どういう状態のときに濃度がどう変化するのかについてもっと知見が集まってくれば血中L−カルニチン濃度はきっとすぐれた健康診断指標になるはずです。

そのような研究をこれからも続けて行きたいと思います。


次回の更新は8/29(木)です。