2019/12/05 カテゴリ: つれづれ : 

ヒトの進化はピンピンコロリをめざす

動物によって寿命の長さはさまざまです。

どんな動物も心臓が20億回打つと死ぬ、という興味深い話が本川達雄先生の本(「ゾウの時間、ネズミの時間」)に書いてあります。

寿命というものがどこからくるのか本当のところはわかりませんが、たとえば栄養状態がよくなり、感染症などから守られるようになると寿命が最大限まで伸ばされるということは実際にあり得ることだと思います。

人類がサルから分かれたのが数百万年、ホモ・サピエンスが誕生したのが10万年ほど前だということです。

10万年のうちのさいごの100年というものは0.1%にすぎない短い時間ですが、この間に人類は急速に科学技術を発展させ、潜在的に備わっていたであろう寿命を最大化するまでに至りました。

いま現在生きているわたしたちはその0.1%の瞬間にたまたま居合わせた、かなり特別な存在だということになります。

寿命の最大化は人類みずからに留まらず周囲にいる動物たち、たとえばペットにも影響が及びました。

ヒトでいえば100年にも相当するような、15年以上生きる犬や猫が増えています。

ペットの老衰もヒトと似ていますから、認知症もあれば糖尿病、腎臓病もあります。

ただ、動物ごとに「加齢の弱さ」は異なるようです。

猫のばあい、とくに加齢によって問題を生じやすい臓器は腎臓です。

腎不全や腎臓結石などのトラブルが非常に起こりやすいといわれています。

それでさまざまな腎臓医療の研究が猫でも行われていますが、そこでの研究成果がこんどは逆にヒトの腎臓のケアにフィードバックされてくる可能性もかんがえられるでしょう。

そういえば、ブタの身体を使ってヒトの腎臓をつくるといった本格的な人工臓器の開発が実現しそうだということです。

これは将来ヒトの腎臓になる種(タネ)のような細胞を入れておいてそれを大きく成長させるプロセスはブタに任せるという発想で行われています。

ただ、こういったことが実現したとしても腎臓以外の臓器に寿命がありますから最終的には120歳あたりにあるらしいヒトの寿命がそれ以上に伸びるということはなさそうです。

それではあっても、たとえば腎臓患者さんに対して現在一週間に2-3回、一回あたり数時間かけて行われている人工透析などは必要なくなりQOL(生活の質)が格段に向上する、そんなことがおこる可能性はあるでしょう。

つまり最大寿命をあっという間に達成した人類の医療の次の目標は「ピンピンコロリ」の実現に切り替わりつつあるといえます。

そのうちL-カルニチンなどのサプリメントの使用も、その周辺にある大きな科学革命のひとつに位置づけられるのではないかと思います。

次回の更新は12/12(木)です。