2006/03/03 カテゴリ: メタボリックシンドローム : 

お腹の周りを大きくしているのは内臓脂肪

中年以降にお腹が出てくる主な原因となるものは、腸や肝臓の周りに溜まってくる脂肪です。お腹の周りのサイズが男性85cm以上、女性90cm以上が危険域だとされていますが、これは日本人で統計的に確認されている数値です。

女性の方が男性よりも大きな値になるのは、女性の場合ふくよかな皮下脂肪に包まれているからです。皮下脂肪というコトバは、内臓脂肪より古く有名なものですが、今日、この皮下脂肪は少なくとも健康という観点からは、それほどの悪玉ではないということがわかっています。

問題はお腹の中に溜まる脂肪で、これは内臓脂肪と呼ばれ、皮下脂肪とは区別されます。この内臓脂肪というのは単なる脂肪というだけではなく、ここからいろいろなからだの調子を調節する物質(アディポサイトカイン)が分泌されているということが判明しています。

東京女子医大の栗原先生の表現によれば、内臓脂肪は鶏肉などに見られる黄色くギトギトした脂の塊に似ているのだそうです。内臓脂肪は、内視鏡というものでお腹の中を観察する時によく見られたそうで、しばしば肝臓がその脂に覆われているのでなかなか肝心の肝臓が見えず、観察に苦労されていたそうです。それでも当時は、「ただの脂」だと考えられていました。ところがそんな単純な物ではありませんでした。

前述のアディポサイトカインという物質が何種類も分泌されていること、そして、アディポサイトカインの量的なバランスが崩れてくると血管に老廃物が溜まり、それが心臓や脳、頚動脈などにこびりつき、血液の通り道が細くなったり血管が硬くなったりする、なんていう芋づる式の関係が明らかになってきたのです。血管が細くなったり柔軟性が失われたりしても、日常生活の自覚症状としては特別意識されにくいことです。

けれどもある日、それが心臓の血管を詰まらせることになれば心筋梗塞、脳に血液の固まったもの(血栓)が飛び火すれば脳梗塞などを引き起こしかねません。

こうなれば、取り返しのつかないことになってしまいます。

(つづく) 次の更新は3/10(金)です。