2020/07/09 カテゴリ: L-カルニチンについて : 

L-カルニチンを飲んでも運動しないとやせない、でしょうか?

L-カルニチンが脂肪燃焼に必須の成分であることから、それを飲めばやせる、という連想が働きやすいものです。

また、運動しないとやせないのか?という質問もよく受けます。

実はこのような問いかけについて私もこれまでずいぶんいろいろと考えてきました。

まず「やせる」ということですが、これがただちに「健康」ということには結びつかないということがあります。

たとえば膵臓がんなどの治療ではかなり副作用の強い化学療法剤が使われたりしますが、こういう場合には体脂肪はどんどん減り、筋肉も消耗して「やせ体質」になってしまいます。

もちろんこういう場合はやせない方がよいのです。

こういった患者さんがL-カルニチンを摂取すると逆に脂肪や体重が増えるということが報告されています。

また、最近の研究によれば健康長寿の人では「やや太り気味」体系の人が多いとうことがわかってきています。

それはそのはずで、食が細くなったり、手術などしなければならない時には自分の体内に備蓄している脂肪が重要な生命エネルギーの源になります。

脂肪はかさばらずコンパクトに収納しておける成分ですから、かなり膨大なエネルギーをため込んでおくことができます。

なので、何らかの生き残りをかけるような状況の中では最終兵站線として大いに頼りになるわけです。

逆に体内に脂肪を持ちすぎの超肥満体の人がL-カルニチンを摂取すると、この場合にはかなり速やかな体重減少がみられます。

これは文字通り脂肪燃焼成分としてL-カルニチンがその方向に作用した結果だと考えられます。

また、そういう体重減少もある程度のところまで行けば治まってゆき、際限なくやせ続けるということもありません。

これらのことから、L-カルニチンという成分は脂肪の増減に対する天秤測りのような役割をしているのではないかと考えられます。

運動しないとやせないのか?ということについても、その人の身体全体がどういう状況にあるかということに非常に大きく影響されますので個別に対応して行く必要があります。

ちなみに、L-カルニチンによって脂肪が消費されるとき、それは蒸発してしまうのでも排泄されるのでもなく「生命エネルギーに転換される」ということも重要な事実です。

というわけで、肥満が気になる方はそのエネルギーを有効な貯蓄のように使いながら健康を増進するといったイメージをもって頂くことがL-カルニチンの効率的な摂り方になります。

また少し体重を増やした方が良いという方であれば、L-カルニチンを摂取しながら体調や食欲を維持しながら筋肉を充実させるということを目標にして頂ければよいと思います。

筋肉を作るためには十分なタンパク質やビタミンとともに潤沢なエネルギーの供給が欠かせません。

次回の更新は7/16(木)です。