2020/11/16 カテゴリ: 健康 : 

「内に秘めたる余裕」についての理論

この前アジアサルコペニアフレイル学会という会に参加しました。

これは毎年開催国を変えて行われます。

昨年は台湾へ行ってきました。

今年の予定はホンコンでしたが新型コロナで早々と中止が決定となり、リモート形式に切り替えて昨月末に開かれました。

フレイルというのは広い意味で活動度が低下した状態のことです。

その中には筋肉が減弱してくるサルコペニアという現象も含まるのですが、この問題は世界的な共通課題なので国際学会でさまざまな診断基準などを決める作業が年々行われています。

今回の学会ではじめて接した言葉にイントリンジック・キャパシティ(intrinsic capacity)というものがありました。

日本語にすると「内因性余力」でしょうか、柔らかく言えば「内に秘めた余裕」というようなことだと思います。

だれにとっても心身にどのくらい余裕があるかということは生きて行く上で重要なことです。

たとえば体力の余裕、精神的な余裕ということもありますし、経済的あるいは社会的な余裕といったこともあります。

この「内に秘めた余裕」というもの、身体的なことに限って言えば子どもの頃、若いころにはあまり個人差がなく、おしなべて「高いレベル」にあると考えられます。

けれども齢を経てくるにしたがって次第に低下してきます。

と同時に「個人差」が大きくなってくる特徴があります。

つまり中高年以降になると身体的な余裕が高い人は30歳くらいの状態かもしれませんし、場合によっては実年齢よりも10歳くらい加齢しているとみなされる場合もあります。

フレイルについて考えて行くとき、あまりこの「内に秘めたる余裕」が低下しすぎないうちになんとか手を打つことが重要、とこの理論は指摘しています。

ある程度以下になると復元してゆくことも難しくなってくるわけです。

人によって異なりますが、昨今は60歳で定年を迎えても実際に引退する人はどんどん少なくなってきています。

そういう意味ではIntrinsic capacityに少し早い段階で留意してさまざまな手を打ってゆくことが大切になってきます。

身体は放っておくとしなやかさが失われてきます。

精神的な余裕もすり減ってくるかもしれません。

70歳でも引退しない(できない)世の中に求められることはひとえにこの種の「余裕」を上手に総動員しながら楽しく快活にと生きて行くことだと思います。


次回は11/19(木)に更新の予定です。