2021/04/15 カテゴリ: つれづれ : 

時速30キロで100年走れば・・・

ウェブで利用できる最も新しい日本人の人口推計は2019年10月1日現在のデータです。

それによれば100歳以上の人は69,000人、うち男性が9,000人女性が60,000人。

つまり男性は女性の15%です。

総人口1億2,400万人からみると100歳以上の人は0.0558%になり、ざっくりと100人に5〜6人といったところです。

学校の一クラスでたとえれば2〜3人でしょうか。

ついでに調べてみたところ、国の統計として「100歳以上」でデータをとりだしたのが今から10年前の2011年のようでそれ以前は「90歳以上」の区分けしかありませんでした。

で、2011年の100歳以上人口は4,6000人と10年間でぴったり50%増えています。

また内訳では男性が6,000人女性が40,000人であり、興味深いことに男女比は全く変わらず男性は女性のちょうど15%になっています。

さて、そんな趨勢の中にあって人生百年時代を「百歳まで生きられる」ととらえるか「百歳まで死ねない」ととらえるかは非常に大きな、そして誰にも関連してくる問題だと思います。

この4月からは企業に対し70歳まで勤労機会を与えることに努力義務が付されるようになりました。

そのことを聞いて私自身あまり違和感がないのですが、20年ほど前ならまったくちがう受け止め方をしていたことと思います。

と同じように今から20年後には「80歳引退」に違和感がなくなる可能性は大いにあり得るでしょう。

人は対数的に歳を取るという言葉がありますが、まさに感覚的にはそんな感じで80歳から100歳までの間にはまだ20年あると思うといとも簡単に自分の想像力の限界を感じてしまいます。

つらつらとそういうことを考えているうち、人は何歳までパワー全開で過ごせるだろうか?ということに思いが及んできました。

人生百年とはいえ、やはりそこに近くなると相当フェードアウトしかかっていることは否めないでしょう。

最近思うところ、八面六臂で活躍していた論客や評論家のような人達にしても「ちかごろそういえばあまりあの人の文章に出会わなくなったな」ということに気付くことがあります。

文筆家などはいわば引退の歳などないはずですが、音沙汰なしの状況になると人知れず心配になったりもします。

そういう人々は第一線に出ずっぱりだったころ、ほんとうに凄まじい勢いで情報をインプットし、咀嚼し、それにまさる出力で存在感を示しておられたのだろうと思います。

それだけの質と量を維持することは相当なエネルギーを要することに相違なく、だとすれば案外80歳に近づくあたりで「あるべきレベル」を超えられなくなっても不思議はないと思います。

このことから100年間を現役でやり切るというためには「エンジン全開状態」で走り続けるよりも時速30〜40キロあたりで止まらずにやってゆくという戦略がよいのかもしれないとも思います。

もちろん太く短く生きるのも人生ですし、何が時速30〜40キロかは人それぞれの感覚によるものではあります。

とはいえ、そういう多様性を尊重する立場に対して客観的に迫ってくるのが「百歳まで死ねないとしたら」という抜き差しならぬ仮定です。

かくなる上はまずは自分のことは自分でできる限り、という考えつまり(菅総理の言ではありませんが)「自助」ということが最も重要かもしれず時速30キロ走行という生き方もまたそのためのひとつの技術ではないかとも思います。

次回の更新は4/22(木)です。