2021/05/06 カテゴリ: 栄養素の常識・非常識・「脱」常識 : 

無駄こそが強み ー「ミニマリスト」ウイルスに勝てる理由ー

特別なマニアの人たちを別とすれば、私のような一般人がパソコンを日常的に仕事で使うようになったのはたぶん30年くらい前からだったと思います。

はじめて買ったパソコンはマックのノートブック型で、ざっとコピー用紙の束くらいの重さがありました。

しかし職場のデスクの上で使っていたフルセットのパソコンはちょっとした家具のようなものでしたから、とにかくコンピュータを家やオフィスの外に持ち出せるということが奇跡のように思えました。

通信はまだ非常に限定的で、情報だけを持ち歩きたいときにはフロッピーディスクを使っていました。

それでもワープロデータくらいであれば十分な情報量を持ち歩くことができ、これも感動的でした。

最初のマックパソコンのハードディスク容量はたしか256 Mbではなかったかと思います。

それでも、もうこれは一生使っても使い切れないのではないか、などと思うくらいのキャパに感じられました。

それからこちら、情報単位はメガバイトからギガバイト、そしてテラバイトに変ってゆきました。

テラバイトという情報量はそれこそワードやエクセル、パワーポイントなどふだん仕事で多用するようなソフトであればもう十二分で、そこの中に入っているデータの中で使うものよりもずっと眠ったままになっているものの方が圧倒的に多いように思います。

テラバイトクラスのハードディスクは恐らくその容量を使い切るよりも先にディスクの寿命が来てしまうのではないでしょうか。

コンピュータの一般的なユーザーであり続けている私も、さまざまな理由でストックしておいた情報が取り出せなくなったり「すっからかん」に消去されてしまって呆然とした経験が何度もあります。

その時の落胆たるや大変なもので、思わず心身の気力が萎えてしまうようなショックにおそわれます。

現在はクラウドが発達してきているので大分勝手が変わってはきましたが、それだって未来永劫安定に存在してくれるかどうか保証の限りではないと思います。

ところで、不幸にもそのようにして大切な情報が失われてしまったときに、たまたまどこかに残っている情報をキーワード検索で探し出して辛くも救われることがけっこうあります。

たとえば、不精をして整理していなかったために偶然引き出しの中のUSBメモリに保管されていたデータなどがそれです。

少々古めのバージョンだったりもしますが、とにかく全く「ゼロ」に比べれば情報の復活としては相当な助けになります。

抜群に整理の良いユーザーであれば情報は常に最新にアップデートされ、古い情報はすべて消去されているのだと思いますが、私のパソコンの中はその状況からは程遠い「整理の悪い状況」があちこちに存在しています。

ところで、そのようにして残っている(あるいは眠っている)古い情報のあり方というのは何かのアクシデントでメインが吹っ飛んだ場合の思わぬ役に立つという点で生物の多様性や遺伝子の成り立ちに通じるところがあるように思います。

ヒトの遺伝子でも使われなくなった遺伝子の名残や残骸のようなものが、情報として読み取られているところよりも圧倒的に多いということがわかってきています。

また生物全体で見ればひっそりと暮らしている生物の遺伝子があればこそ、大量絶滅のようなことがおこった場合にでも生き残る種が必ずいる、ということで「完全絶滅」には陥らないで済むということがあります。

ミニマリストという言葉があります。

できるだけ持ち物を少なくして暮らす主義を持った人のことですが、ことパソコンの情報に関しては生物の遺伝子のように「一見不要に見えるもの」も一掃したりしない方がよいのではないかと思います。

ちなみに現在私たちを悩ませている新型コロナのウイルスですが、彼らはまさに遺伝子のミニマリストに近い存在で、「感染して増殖する」ということ以外の遺伝子はほとんど備えていないと考えられます。

ですからいくら猛威を振るったとしても人類や高等生物を絶滅させる力はウイルスにはなく、その戦いに勝利する根拠は実に遺伝子の重複や眠っている遺伝子でありさまざまなところに暮らしている生物の多様性というふうにも考えられると思います。

今回は「無駄の効用」についてのお話でした。

次回の更新は5/13(木)です。