2021/06/02 カテゴリ: つれづれ : 

コロナが赤ちゃんを減らしている?

厚労省によれば今年の3月までの1年間の出生率は4.7%減少、1-3月期の前年度比では9.2%減、とくに東京都ではマイナス14.1%となっています。

新型コロナはこんなところにも影を落としています。

ところで戦後しばらく日本ではベビーブームといわれる社会現象がみられました。

戦時中の日本は非常に窮乏していた、だから出生率が上がらなかった。終戦を境に状況が大きく変わった、ベビーブームは恐らくその反動的な現象だったのだろう。こんな分析が一応できると思われます。

しかしベビーブーマーが誕生したころの日本は経済復興も暗中模索状態であり、闇市が横行するなど経済的にはどん底だったはずなのです。

また興味深いことに戦禍をほとんど被らなかったはずの米国本土でもベビーブームは同じように起きています。

こう考えてみると出生率の変化は単純にその時の経済状況だけでは説明できないようです。

子を設ける世代が「将来に対して漠然とした明るいイメージを描いているかどうか」、私はそういう人間の直感に原因があるように思います。

子どもというのは未来の時間を託される存在。ですから自分たちの赤ちゃんが幸せな人生を送れるかどうかという直感は出生率にかなり大きな影響力をもっていると思うのです。

「やっと戦争が終わった。世の中どんどん良くなるぞ。子どもたちは幸せになれる!」こんな機運が社会で共有されたからこそ自ずと赤ちゃんが増えたのではないでしょうか。

「自分たちが高齢になったときにはもう年金なんかもらえないだろう。なのに今の高齢層のために年金を納めるなんて理不尽だ」こんなふうに考えている若者が多いと言います。

これはとても暗い将来展望に直結するイメージですが、これを払しょくするためには目先の経済対策だけでなくもっとロングレンジで若い層の「本能的な直感」を好転させるような骨太の施策が必要だと思います。

東京五輪への向き合い方もそのひとつです。

大会の行く末は今のところよくわかりませんが、どんな選択をするにせよおどおどせず、堂々と乗り切って国民が自信と明るい未来イメージを取り戻せるようにすること、これが最高の少子化対策だと思います。

次回の更新は6/10(木)です。