2021/09/02 カテゴリ: つれづれ : 

巨大な心の結集

パラリンピックに出場していたタチアナ・マクファデンという陸上アスリートのことを私は今回初めて知りました。彼女についてウェブサイトから引用してみます(https://www.parasapo.tokyo/super-athletes/tatyana-mcfadden)。

ロシア生まれ。二分脊椎症による先天性下半身不随。6歳までロシアの孤児院で育つが、米国人のデボラ・マクファデンさんに養女として引き取られる。米国移住を機にスポーツを始め、車いす陸上で頭角を現す。夏季パラリンピックは2004年アテネ大会以降4大会連続出場。ロンドンではT54クラス三冠、リオ大会は金メダル4個、銀メダル2個を獲得した。クロスカントリースキーにも挑戦し、生まれ故郷のロシアで開催の14年ソチ冬季大会で銀メダルに輝いた。(2019.4)

印象的だったのは彼女が今回メディアのインタビューに答えて「自分のレジリエンスを示したい」とコメントしていたことです。

テレビではこのレジリエンスに「折れない心」という素敵な訳語を付していました。

もちろんタチアナさんだけが特別なレジリエンスを持っているということではない、というより人生の巨大な絶望を乗り越えてきたという点こそがどの選手にも共通した事情だと思います。

そしてまた絶望の淵に佇んだのは、その家族も同様、あるいは本人以上に過酷な精神状況に陥られたにちがいありません。

そのような境遇からともかくも立ち上がり、気持ちを前に向けたり励ましたりしながらよりたくましく身体を使う能力を磨いてゆく。

こんな過程を歩んできた人が一堂に会して行われるパラリンピックというのはほんとうにものすごい「心」が集まっているところだなあと改めて思います。

この選手にはどんな「折れない心」があるのだろう、何をきっかけに上昇気流に乗ることができたのだろう、そんなことを想像しながらテレビ観戦をするようになりました。

また、競技の種類は限られている一方障がいの種類はさまざまですから、いかに公平に区分けするか、どうやって運営するかということも大変難しい課題だと思います。

その意味でパラリンピックの大会運営はオリンピックのそれよりもまた何倍も大変であるに違いなく、ここにもまた巨大な心の結集があります。

さて一方、どんな競技もまた純粋に競技としての面白さやスリル、感動があり、この点ではオリンピックと変わりません。

息をのむようなハイレベルのパフォーマンスには人間の能力の限界に挑むアスリートとしてのほとばしるような闘志や集中力が充満しています。

残る日々もいろいろな思いをもって楽しみたいものです。

次回の更新は9/9(木)です。