2022/03/24 カテゴリ: 健康 : 

風邪をひかない、転ばない、義理を欠く

政治家の岸信介さんは1987年に92歳(満90歳)で亡くなりました。

当時としてはかなり高齢でした。

晩年、長生きするためにどんなものを食べているのかという周囲からの質問に対して「私は人を食って生きているよ」と冗談で応じたものですが、もう少しまじめな話として「風邪をひかない、転ばない、義理を欠く」という3点を自分のモットーとして挙げています。

健康法と言えば、タバコを吸わない、お酒を控える、甘いものを控える、腹八分目、十分な睡眠、といったことが浮かんできますので、岸さんの秘訣にはちょっと意外な感じがしました。

けれども改めて考えるとこれはかなり実践的な考え方だなと思います。

どんなふうに過ごしていても風邪をひいてしまうと人は寝込んでしまいます。

新型コロナなどでも明らかなように、特に高齢になるとふだん養生をしているか不摂生かに関わらずひどい風邪が引き金となって命を落とす確率は高くなります。

風邪除けの工夫というのは免疫のケアということですから、現在でもこれに決定的な方策はありません。

岸さんはどんな方法でも良い、風邪をひかないということが肝心なんだということが言いたかったのかもしれません。

「転ばない」もその通りで、誰であれひどく転倒してしまうとQOLはその瞬間から激減してしまいます。

筋肉を鍛える、関節ケアをする、などはその前にある手段ですから、これも風邪ひきと同じく「どんなやり方でもよい」ので転ばないように気をつけていることはたしかに確実な健康の条件だといえます。

最後の「義理を欠く」というのは、周囲に気を使いすぎるよりも大らかに過ごすことを指したメンタルケアのことでしょう。

そういえば昨今恩師や先輩などから届く年賀状などには今年を最後に年始のご挨拶は失礼しますと書かれていたりします。

この点私はそれで良いのかな、と思うところもあります。

社会から離れてしまい、他人との間に程よい緊張感が失われて行くことは健康上良くないのではないかと思うのです。

もっとも、岸さんのような政治家ともなれば桁違いの人付き合いがあるのでしょうからそんなものにいちいち対応して居れない、義理を欠き、人を食ったようにやっていくんだよ、という事情はあったにちがいありません。

ともあれ内面の健康(風邪をひかない)、運動器の健康(転ばない)、メンタルの健康(義理を欠く)というのは今日的に見てもなかなかシンプルでわかりやすい養生訓だと思います。

ポカポカ陽気が春分の日を過ぎて一変してしまい、足元も悪くなっています。

高齢のご家族など、くれぐれもご用心ください。
次回の更新は3/31(木)です。