執筆者の紹介

王堂 哲
ロンザジャパン社勤務。

L-カルニチンに限らず、すぐれたサプリメントがきめ細かく研究され、正しく用いられながら日本人のQOL向上に役立つことをテーマとして活動している。


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2015/07/02 (9:00 am)
「時間栄養学」というおもしろい研究分野があります。

同じ食事メニューでもどんなふうに食べるかによって栄養素としての吸収や働きが異なる、そういうことを研究する分野です。

「どんなふうに食べる」というのにはいくつくらいのパターンが思いつくでしょうか?ちょっと考えてみてください。

たとえば・・・・

(1)速く食べるかゆっくり食べるか
(2)途中で食べるのを中断するかしないか
(3)食べる料理の順番を変える
(4)一日に何回に分けて食べるか
(5)朝から深夜にかけて、いつ、何を食べるか
(6)メニューを片っ端から平らげてゆくのかまんべんなく食べるのか
(7)速くかき込むのか、ゆっくりよく噛んで食べるのか

他にもまだたくさんあると思いますが、これらは分類すれば時刻としての早い遅い、スピードのちがい、消化管に送り込まれる順番、タイミングなどに分けて考えられると思います。

食物繊維は先に食べた方がよいとか、夜遅く食べるのはよくない、胃袋に少したべものを入れてからお酒をのむべきだ、等々は近頃かなりポピュラーになってきていると思います。

いずれにしてもこういう考え方は食べ物を単に摂取カロリーのトータルでとらえようとしてきたこれまでの方式からみれば相当に進化しています。

ちょっと脱線しますが、昼間明るいうちに飲むお酒はまわりがはやいということは実際にやってみればそのとおりだという気がしますが、これは単に気のせいなのでしょうか。

食べるという行為を時間との関係でとらえようという考え方は比較的最近のものだと思いますが、「なぜそういうタイミングがよいのか、なぜその順序がよいのか」または「どういう人にはどういう食べ方がよいのか」ということの理由を考えてゆくことはたしかにもっと研究されてもしかるべきだと思います。

一年間に1000回以上も繰り返されるのが食べるという行為ですから、健康との観点からそのコツを心得ているかどうかということはたいへん大きな影響があるはずです。

昼間に飲むお酒がどうして酔いやすいのか?という謎解きはそう簡単ではないかもしれませんが、私個人的には本当にそうなのかということも含めていつか解明してみたいものだと思っています。


次回の更新は7/9(木)です。
2015/06/11 (9:00 am)
「鯨飲馬食」ということばがあります。

クジラのように飲み、馬ほども食べるというわけで、これは主として男の豪快な食べっぷり、飲みっぷりをあらわした言葉です。

どちらかといえばこれは豪傑のイメージなのでしょうが、昨今ではそういう外観はあまり流行らなくなっているのではないか、という感じがします。

これは「よく噛んで、腹八分目のすすめ」とは対極にあるものといえます。

ところでこの前、学会に参加して腸内細菌に関するシンポジウムを聴いてきたときに、新たに認識したことがありました。

腸内細菌には特有のエサが必要で、それが十分にあれば腸内細菌の種類や数がちょうど良い状態に保たれる、そのエサに相当するものが食物繊維(とくに水溶性の食物繊維)だということは昨今かなり有名な話です。

食物繊維の多くは小腸までの段階では消化されずに大腸に届けられます。

それに対し、大多数の栄養素(消化の良い栄養素)は小腸を通過するときにほぼ吸収されて大腸にたどり着くものはない、だから消化の良いものばかり食べていると大腸は栄養失調になる「消化の悪いもの(食物繊維)も食べましょう」ということになります。

ところが、逆に小腸で吸収されるべきものが、大腸にやってきたらどういうことになるでしょうか?

この場合には「本来大腸にはやってこないはずの(腸内細菌にとっては想定外の)料理メニュー」が舞い込んでくることになります。

こういうメニューが飛び込んでくると「腸内細菌の献立」が大いにくるってしまい、善玉菌を中心とした腸内フローラの黄金秩序が乱れてしまうということがあり得る、学会ではそういう講演があったのです。
ではどういうときに小腸が吸収し尽くせないほどの食物がやってくるのか、私はその問題を考えてみることにしました。

まず途方もない大食いをしたときにはそうなる可能性があります。

また一度にたくさんの食糧をドカ食い(早食い)した場合にも似たようなことが起こると考えられます。

逆にいえば、少量づつよく噛んで、複数回数に分割して食事を摂取していれば小腸のトンネル内でつつがなく消化吸収の仕事が終えられるはずです。

欧米型食事で大腸がんのリスクが高まる、ということは食物繊維の不足以外に「過食」にもその一因があるのかもしれません。

日本食はその意味で、食材や調理方法のすばらしさのみならず分量の点でもヒトの消化管にちょうど適しているのかもしれません。

ドカ食いのいましめ、腹八分目のすすめ、ということにはこんな意外な真理も含まれていたのだなあと改めて驚いたのでした。


次回の更新は6/18(木)です。
2013/06/06 (9:00 am)
せっかくいろいろなもので勉強し、理屈的にも納得してはじめた「正しい姿勢」がかえって筋肉の疲労を呼ぶという皮肉な状況を私は経験しました。

ここで思い至ったことは、背骨が大きく曲がってしまったお年寄りなどのことです。

あんなに腰を曲げていては重い頭を支えるのにさぞかしつらいのではないか、だから杖(つえ)が必要になるのではないか、と思えます。

けれども、そういう人たちの背筋を無理やりまっすぐにしようとすると、これは非常に痛くてつらいということです。

つまり、そういう前かがみの姿勢がその人たちにとっては「最も楽」ということになるわけです。

これは、まったく他人事ではなく私自身にももはや同じようなことが起こり始めていたのです。

自分にとって楽な「悪い姿勢」は自分にとって「最も楽な姿勢」だったとは!

しかし同じように考えてみれば、身体に悪いとされる喫煙や過度の飲酒などの習慣にしてもそれを常用する人にとっては「最も心地よい習慣」であることに思い至ります。

そういう危険な習慣に気付いたらできるだけ早く上手にそこから抜け出すことを考えなくてはなりません。

私の場合、姿勢をもとに戻すこと、つまり正しい姿勢をとった時に最も楽になるようにしてゆくことが図らずも課題となったわけです。


次回の更新は6/13(木)です。
2013/05/30 (9:00 am)
ねこ背になると、ボウリングのボールほどにも重い頭部を支えている首や肩、腰にとってとてもつらい姿勢だということがわかります。












私は「机作業者の職業病」として20年以上にもわたってそういう好ましくない姿勢を取り続けていたせいで、慢性の肩こり、時折の腰痛に見舞われ、おまけに逆流性食道炎などの傾向をもつようになりました。

つい先ごろ、このことを意識するようになって「姿勢を正そう!」と努力するように一念発起しました。

これによって私の体調はたちどころに良くなる・・・・はずでした。

ところが、実際に骨盤を垂直にし、パソコンを覗き込むをやめるようになってみると、かえって背中の腰に近い体側や肩甲骨の周辺が非常に張ってくるようになりました。

つまり「正しい姿勢」が私の身体をよけいに疲労させてしまったのです。

よかれと思ってやっていることに効果がないどころか逆につらくなるとは、これは全く心外でした。

そして、時折「私にとって無理のないねこ背」的な姿勢になってみると、実に楽なのです。

これはどうしたことかと思いました。


次回の更新は6/6(木)です。
2013/05/23 (9:00 am)
ヒトの頭部の重さがどのくらいあるか、お考えになったことはありますか。

首から上の重さは体重のおよそ10%程度になります。

例えば体重55キロの人の場合であれば5.5キロに相当します。











ところでボウリングのボウルを思い出していただきたいのですが、たとえば12ポンドの球であれば女性はもとより男性にとってもかなり重い方だと思います。

1ポンドはおよそ4.5キロにあたりますので、12ポンドと言えば5.4キロ、つまり体重55キロの人の頭部とほぼ同じ重さがあることになります。

ということは、私たちの首や背骨、それから肩をはじめとする全身の筋肉で重量級のボウリングの球ほどもあるものをてっぺんに頂きながら私たちは生きているのだということになります。

箒(ほうき)の刷毛(はけ)先の部分を上にし、柄の先端を手のひらにのせてバランスを取ったときのことを思い出してみましょう。

はけ先の重い部分を細長い柄で支えるには柄を横にするよりもまっすぐに立てた時に最も力がかからず楽な状態になります。

これから考えると、私たちの頭部を支えるのに最も楽な姿勢は背骨をまっすぐに立てることだということになります。

従って座っているときには骨盤をまっすぐにするのが合理的です。

ところが、実際にはパソコン作業などをするときには画面をのぞきこみ、腕を持ち上げるために方には常時力がかかった状態(ねこ背)になります。

ということはねこ背になって作業をしているということは箒(ほうき)の柄を斜めにして刷毛の重さを支えているのと同じことになりますので、これでは筋肉が張ったり疲れたりするのも道理です。


次回の更新は5/30(木)です。
2013/05/16 (9:00 am)
私のからだの3大トラブルとして偏頭痛、肩こりそして逆流性食道炎があることについて前回お話ししました。

ところで、昔ワープロを使うようになった初期のころにはキーボード操作にも慣れず、また文節変換機能など機械の方もとても不器用でした。












それで、まず手書きで原稿を作ってからそれをワープロで打ちなおすという、今から考えれば冗談のようなことをやっていました。

その後、パソコンが充実しブラインドタッチでどんどん打てるようになってきたころにはコミュニケーションの主流が断然メールに変わってきました。

そういう生活に入ってからもうそろそろ20年になります。

ほぼ毎日一日数時間以上もパソコンに向かって文字を打ち続けてきました。

さて、パソコンを打つ姿勢としては、ディスプレーの最上部が目の位置に来るように調節し、肘は90度になるようなセッティングとし、椅子に深く腰掛けて背もたれによりかからない、ひざも90度とし、足のかかとがぴたりと地面に着くようにせよ、こういうことをつい先日テレビを見ていて知りました。

つまり横からみた骨盤を逆三角形に見立てて、これが傾かずにまっすぐ立つように座る、これがコツだということです。

このような理想的な姿勢を守らないとどうなるか?

何と「肩こり」や「偏頭痛」そして何と「逆流性食道炎」にもなりやすくなる!という話です。

私が単に自分の体質だと思い込んでいたことは実は20年にわたるデスクワークの姿勢にあったということを知って、ちょっとショックでした。

何でも、そうして肩甲骨の付近から首筋に掛けての筋肉が固まったようになると次第に背骨が変形してもとに戻らなくなることもあるそうです。

いわゆる猫背が定着してしまうのですね。

画面をのぞき込むようにしたり、背もたれに体重をかけて座ったり、足を組んでみたり・・・こういう「悪い例」のことごとくが私自身にあてはまることを知り、すべての身体のトラブルがこの職業病的姿勢から来ることを思い知ったわけです。


次回の更新は5/23(木)です。
2013/05/09 (9:00 am)
私は中年になるまで特に大きな病気をすることなくこれまでやって来れたように思っていましたが、ここ2-3年2つ3つのトラブルを感じるようになってきました。

ひとつは右の耳の上あたりの偏頭痛、それから執拗な肩こり、そして胸焼けの症状です。









頭痛については心配もありましたので少し前、念のためMRIという装置で診察してもらいました。

その結果「特に問題なし」ということでひとまず安心しました。

でも、それならなぜ同じところに偏頭痛があるのかが疑問として残ることになりました。

一方肩こりはかなりのもので、マッサージをしてくれる人から「王堂さんは肩こりのプロですから」と言われたこともあります。

たぶんそういう体質なんだろうと思っていました。

そして胸焼けですが、これはかなりはっきりしていて、いわゆる逆流性食道炎の傾向があるということです。

これは胃液が食道の下部に逆流してくることによって胸焼けがおこったり、その部分や背中などに痛みが起こったりする状態です。

アルコールを飲んだり、揚げ物を食べたり、香辛料を好むとか、この疾病に至る食習慣の傾向は確かに私にあてはまるものが多いのです。

反省して、よく噛んでゆっくり食べるようにしたりすることである程度改善されました。

これも立派な生活習慣病の一種ですね。

ところが個々別々の問題だと考えていたこれらの症状に実は共通の原因があるらしいことに最近気づくことになりました。

それはズバリ「私のパソコン作業の姿勢にあるらしい」ということなのです。


次回の更新は5/16(木)です。
2013/05/02 (9:00 am)
まる二日半絶食状態で寝込んでしまったときには意外にも脂肪が減らずに筋肉が減るということを私自身経験しました。










もちろんタンパク質類は何も食べていないので、からだの中には栄養素としてのタンパク質(そしてそれを構成する原料であるペプチドやアミノ酸類)が不足します。

その不足した分は、わが身を削って調達するということになったわけです。

恐らくその他のビタミンやミネラルも同時に不足してきます。

そういう微量元素も多くは筋肉細胞の中に分布していますから、筋肉を溶解させることによって筋肉の成分とともにその中に含まれている微量成分も調達しているのではないかと思われます。

このように考えると、私たちの身体はものを食べられなくなった時の「食糧備蓄倉庫」ともなっているといえそうです。

そういえば、アルコールをたくさん飲んだ後などではそれを代謝して行くために酵素をたくさん作らねばならず、筋肉はその場合にもタンパク質の調達源として使われてゆくと考えられています。

ですからアルコールの代謝産物であるアセトアルデヒドが二日酔いの気分の悪さを引き起こすとともに、身体がけだるく疲労したようになるのはこの「筋肉の損傷作用」が原因であるようです。

特に加齢で筋肉が減少してくると、習慣的な深酒はまさに命がけでお酒を飲んでいるというイメージになりますね。

いつも同じ結論になりますが、立派な筋肉を保有することはこんな意味からも重要だといえるでしょう。

筋肉は一種の体力の源泉です。


次回の更新は5/9(木)です。
2013/04/04 (9:00 am)
昨日ある料理研究家の方が面白いことを言っておられるのを聞きました。

いろんな種類の野菜ジュースを食前に飲むとダイエットに効果的という話です。









人間はエネルギーが切れてくるとお腹がすく、というのはわかりますが、その他に必要な栄養素が不足してきても空腹感がくるということです。

つまりごくわずかでもビタミンCが欲しいな、と身体が感じているときにごはんやうどんをがつがつ食べても(食べている割に)空腹感がおさまらないということなのです。

それは、ごはんやうどんの中にビタミンCが少ないから、と考えれば理屈が合いますね。

ということは、いろんな栄養素をまんべんなく食べるようにすると、結局早く満足感が得られるということになります。

これは、以前このブログでも書いたウシはなぜ大食漢か?という問題にも通じます。

ウシはまさに偏食の王者であるからこそいつまでも食べ続けられるわけでした。

こう考えてくるともう一つ気付くことがあります。

それは、たべものを胃に入れた時に、それが胃腸を通して吸収されるまでのタイムラグのことです。

いくらバランスの良いものを飲み込んだとしてもそれが吸収されて体内に行き渡るまでの時間は待たなければならないでしょう。

ということで早食いが肥満のもとである、ということにも相通じます。

ゆっくりまんべんなく食べる、という食事の極意にたどりついたようです。


次回の更新は4/11(木)です。
2013/02/28 (1:00 pm)
ウシやゾウなど草食の動物は、牧草にごくわずかしか含まれていない栄養素を確保するために膨大な量を食べ続けなくてはならない、だから大柄になるということについて前回書きました。












一方ライオンなどの肉食動物はタンパク質摂取という点では非常に効率の良い食事をしているので食事の時間は短く、大半は寝そべって過ごしていられますが、そのかわり時折瞬発力を発揮して獲物を仕留めならず、多くの場合その獲物は「大柄の草食獣」であるということでした。うまくできています。

そして人間ですが、これは「雑食性」です。

雑食ということは炭水化物もタンパク質も脂質あるいはミネラルやビタミンなども、各々の栄養成分が豊富なものを少しづつ食べればよいということを意味します。

これは実に効率の良い食性ですが、最終的にそれを可能にしたのは牧畜技術と農耕だったと思われます。

現代ではそれが調理をする必要もない食品となって店頭に並ぶようにさえなっていますからまさに究極的です。

しかし、あまりに便利でしかもおいしいため、エネルギーに関しては「摂り過ぎ」が問題になってきた、これの典型がメタボリックシンドロームだといえます。

しかしそんな現代にあっても極端に食べ過ぎ、摂り過ぎを意識して極端な節食をするとそれは案外簡単に偏食につながり、必要な栄養素が欠乏するという事態が起こり得ます。

そこでサプリメントの利用価値が生まれてくると思われます。

食べ過ぎず、ほどほどに接触して、少し足りないものを補う。

「サプリメント」というのは元来「付録」とか「何かに付け加えるもの」という意味をもつ言葉ですが、まさにそのようにして補うことによって食生活のバランスは非常に簡単に整えられるようになりました。

草食動物や肉食動物の食のあり方(彼らにはそれがちょうどよい生き方なわけですが)を見てゆくことから、私たちヒトの食の合理性がとても巧妙なものだということに気付きます。


次回の更新は3/7(木)です。

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