前回に続き、今回も「胃ろう」について考えてみます。「胃ろう」という処置によって患者さんの体力が回復し、嚥下・咀嚼能力が回復してくれば、やがて通常の口から摂取する食事に戻っていけます。この場合「胃ろう」はあくまでも臨時措置だということです...
高齢者・療養中の方 記事一覧
「胃ろう」という、一般にはあまり聞き慣れない言葉があります。これは、何らかの理由で口から食物を食べられなくなった人に対して、腹部の外側から胃に通じる穴を開けて、直接栄養物を送り込む栄養投与の方法です。口から食べられなくなったら、例えば点...
前回のブログでは、概してうす味の病院の食事のことを考えながら、「濃い味好き現代人の味覚の退化」などということに話題が及びました。非常に容易に調味料が使えるようになったことで、日本人の日常食の味付けが濃くなる傾向になってきたという話。濃い...
ジャーナリストの立花隆さんが以前、膀胱がんで手術のため入院された時の様子を手記に書いておられました。その中で印象的だったことは、「とにかく塩分がほとんどない食事のつらさ」についてのくだりです。膀胱は循環器の一部ですので、消化管の手術とは...
現在どこかの病院で入院している人がいるとします。その人は医師の診察を受け、手術などの施療を受けます。細菌などの感染を防いだり、傷の治りを早くするための医薬品などを処方され、そしてベッドで過ごしています。一般に病気というものはそのようにし...
入院の経験をお持ちの方はお分かりだと思いますが、一般的に病院、特に大病院の食事のイメージと言うのは「冷たい」「おいしくない」というものではないでしょうか。大昔ならともかく、今は街にはおいしくて安い食べ物がいくらでも販売されていますから、...
2010/07/15
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長生きについて(3)理論や施策の中の「空洞」
高齢化社会の研究はますます必要になるに違いありませんし、政府の政策を支持したり批判したりすることも関心のありようとしては重要なことだと思います。けれども、このような検証や検討は、経済的にも精神的にも苦しい立場に追い込まれていく高齢者の人...
2010/07/08
カテゴリ: 高齢者・療養中の方
長生きについて(2)
「長生きはできるに越したことはない」ということは、例えば20−30年前あたりまでは(絶対の真理とまでは行かずとも)かなり当然のことと信じられていたと思います。もちろん今でも誰かが生死の淵をさまようような状態になれば、周囲も医療機関も何とか命...
2010/07/01
カテゴリ: 高齢者・療養中の方
長生きについて(1)
物心つくまで私を育ててくれた曽祖母は明治19年生まれで、私が小学校6年生の時に老衰で亡くなりました。享年84歳でした。昭和44年(1969年)のことです。当時のおよその平均寿命は男性69歳、女性74歳でしたから現在で言えば100歳近くまで生きたような感覚だ...
2009/04/16
カテゴリ: 高齢者・療養中の方
高齢者の健康に必要なもの
これまでL-カルニチンと高齢者について、しばしば考えたり書いたりする機会がありました。その観点はおよそ2つに分けられます。筋肉に含まれるL-カルニチンの量は、加齢に伴って減少してくることが知られています。また、40歳以上では筋肉そのものの量が減...