
基礎代謝とは、呼吸や体温の維持、心臓の鼓動など生命活動に最小限必要なエネルギー代謝のことをいい、このエネルギー源として主に脂肪が使われます。また、基礎代謝は10代後半をピークに低下し、筋肉量が減り代謝活動が低下してくる40歳頃からさらに急激に落ちていく事が知られています(1)。このためいわゆる中年肥満が起こります。
キーワードは「筋肉」=脂肪の消費される場所
実は肥満と密接な関係を持っているのは「筋肉」です。人体最大の臓器である筋肉は、「脂肪燃焼の場」としても重要な存在です。しかし、40歳代以上になると筋肉が次第に減少し始めるため、脂肪は「燃焼の場」を失って内臓脂肪などとして蓄えられるようになります。このような肥満のサイクルはダンベル体操などで積極的に筋肉を増やし、基礎代謝のアップをはかることにより改善できることが知られています(2)。
寝ている間にも脂肪は燃えています
よく言われるように、20分以上の有酸素運動は確かに脂肪の燃焼に効果的ですが、特別な運動をしない日常生活においても脂肪はよく使われています。とくに筋肉は、全身で代謝される脂肪の70%前後を燃焼していますが、その大部分は夜8時間の睡眠中や日中8時間の安静状態下で行われています(3)。
軽い筋肉運動とL-カルニチン摂取で「理想的な流れ」に
基礎代謝低下は、加齢による筋肉の減少に大きくかかわっています。基礎代謝が低下していると、エネルギー消費量が減少し、余った脂肪が蓄積へ向かいます。これがいわゆる中年肥満へとつながります。そこで…
L-カルニチンによる脂肪燃焼促進作用
特別な運動をしない安静時でも、L−カルニチンを摂取することにより摂取後数時間以内で脂肪燃焼が促進されることが、ヒトでの研究で確認されています(4)。
[引用文献]
(1)厚生労働省日本人の栄養所要量を元に改編(1999)
(2)Matsuo T., et al Asia pacific J Clin Nutr 8: 136-141 (1999)
(3)鈴木正成「今なぜエネルギー代謝か」細谷憲正編 第一出版社刊、P101 (2000)
(4)Wutzke KD. et al. Metabolism Vol 53, No 8, Aug.: 1002-1006 (2004)
(5)Lurz R. et al. Med J Natur Therapy 39(1):12-15(1998)
27歳〜64歳の肥満傾向にある100人を同数の2つのグループに分け、一方のグループにL-カルニチン、もう一方にプラセボを摂取してもらい、4週間後の体重の変化を調べました。
結果として、L-カルニチンを摂取したグループの方が体重が顕著に低下しました。その他、総コレステロール、LDL(悪玉コレステロール)、血糖値、血圧なども低下した事が報告されています。
摂取条件:100人の肥満傾向にある被験者。
1200kcal/day。1日3回それぞれ1g摂取。
摂取期間4週間。