「おなかポッコリ」というだけで「メタボ」と呼ばれるほどにメジャーになった「腹囲85cm」。けれども、メタボリックシンドロームは腹囲85cmのことだけをいうのではありません。腹囲に加えて血糖値・コレステロール値や血圧などその他2項目の数値の異常が診断基準となります。数値が異常を示すそれぞれの項目を「イエローカード」に例えると、イエローカードが3枚そろってはじめて「メタボリックシンドローム該当者」となるということです。

しかし、意外と知られていませんが、イエローカードを1枚でも減らすことができれば発病に至るリスクは激減するということも重要なポイントです。
心理学の用語で「行動変容」という言葉があります。「行動変容」とは、習慣化された行動パターンを変えることを意味します。メタボリックシンドロームは、食生活や運動などの生活習慣をいい方向に変えること、すなわち「行動変容」なくしては予防・改善ができないと言われます。そこで、「行動変容」を軸に、「勝てない人」のタイプを考えてみました。

ところで、メタボリックシンドロームの警告に込められた真意とは何でしょうか?
メタボリックシンドロームが進行すると、心筋梗塞や脳卒中になる危険性が非常に高くなると言われています。医療技術の進歩により寿命が延びた一方で、発病後「要介護(寝たきり)」の高齢者が増加する・・・ということが予想されています。これがまさしくメタボリックシンドロームの警告なのです。つまり・・・「要介護(寝たきり)」になるとは・・・「おむつ」をはき、誰かにその世話をしてもらう状態に他なりません。
寝たきりになるということは、本人の心理的苦痛だけでなく、家族全体の生活にも影響を及ぼします。そういう意味ではメタボリックシンドロームは高齢者だけの問題ではなく、介護にあたる若・中年世代を含む家族全員、ひいては社会全体のQOLの低下につながるのです。私たちが今後、長寿社会の中で暮らす以上「メタボ」は他人事ではありません。

メタボリックシンドロームという状態は「病気のぎりぎり一歩手前」の状態を指します。発病してしまうともはや手遅れですが、下の図のとおり発病までのプロセスは非常に明快です。がんや花粉症のように発症の原因や進行の道筋が特定できず治療法も複雑な疾病に比べると、その主な原因は「内臓脂肪」であることが特定されており、進行の逆をたどることで確実に予防・改善が可能であると考えられます。

先に述べたとおり、「行動変容」により上の図の矢印の逆をたどり、診断基準項目の中の「イエローカード」を1枚減らすだけで発病のリスクは激減するのです。
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