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「ここまでは大丈夫」と「これ以上はムリ」を知ること


 

人によって多少時期が違いますが私自身の経験では中学に入ってすぐくらいに成長期に入りました。


入学してすぐに剣道部に入部しました。


いきなり防具を付けて稽古をすることなどできませんから、はじめは竹刀の握り方を教わり素振りから始まります。


と同時に基礎練が行われます。


持久力、瞬発力、筋トレなど現代的な設備は何一つありませんでしたがスポ根マンガさながらの心境でしがみついて行きました。


何をやっても体格がうんとデカい上級生にかなうはずがなく、結局限界まで来るとぶっ倒れてしまいます。


一方普段さぼっている付けが回ってきて定期試験の前などは睡眠時間を削り、食事の時間を削りしながら対応しようと頑張りました。


今から思えば非科学的でいかにも要領の悪いやり方、到底話になりませんが当時はチビッ子なりに一生懸命だったのです。


ただ、基礎練にしても深夜勉強にしても効率の良しあしを別にすれば「ここまでは大丈夫」「これ以上はムリ!」という限度のようなものが体感としてわかるようにはなりました。


これは前回考えたレジリエンスの問題で、自分の限界がどの程度のものかということについて知るためにはこういう若い時の無茶な体験が案外手っ取り早いのかもしれません。


長じてアルコールをたしなむようになってからの酒量や回復のコツなども理屈ではなく体得が肝要だったと思います。


子どものころからあまりにケアが行き届きすぎると、かえってこの「自分自身の限界」がよくわからないままに大人になってしまうことがあり得ます。


昨今少なからぬ若者が鬱を患って苦労していますが、その背景にはもしかしたらそういうことが関係しているのではないかと思われます。


過保護という言葉が適切かどうかわかりませんが、より脆弱な心身の若者がより複雑な情報爆発社会の中に入って行く場合には以前にも増してもっと周到な訓練や工夫が必要になるのではないでしょうか。


間もなく始まるゴールデンウイークが是非そんな工夫に富んだ充実の時になりますように!


次回の更新は5/4(木)です。

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