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「何を食べるか?を決める能力」が高いか低いかで・・・


 

何をどれだけ食べようか、その選択は誰でも毎日行っていることです。


一日に2~3回はこの小さな決断をすることになりますが、その都度ある食材が身体にどう

いう影響を及ぼすかをよく心得ている人と全く気にしない人の間では相当な差が出てくる

、そのことは容易に想像のつくところです。


老年医学の分野では「内に秘めたる余力(IC:intrinsic capacity)」という概念が最近

提唱されています。


ICは生まれてから青年時代くらいまでは差が小さいのですが、中年から高齢にかけては個

々人で相当の開きが見られるようになります。


今回のコロナでも基礎疾患の有無によって症状が相当違ってくるということが話題になり

ましたが、これはICのレベルが基礎疾患の有無に大きな影響を受けていることを意味しま

す。


基礎疾患の中でも特にメタボリックシンドロームや糖尿病などの生活習慣病は典型的なも

のですが、もしこれらがICを低下させているのだとしたら逆にICを向上させたり低下を抑

制したりすることは自分の意志でいかようにもできることになります。


生活習慣病はまさに長時間にわたるライフスタイルの負の方向への蓄積です。

というわけで「何を食べるべきかか?」を正しく方向づけられるかどうか、とくにそれが

若いうちからできているかどうかはICの維持にとってかなり決定的になってきます。


最近大阪公立大学の横山久代先生(都市健康・スポーツ研究センター)らが発表された研

究によれば「日本の大学生の85%はヘルスリテラシーが低い」という結果になったそうで

す。


大学生時代にはICへの影響が見えにくい為かえって無頓着になっているのかもしれません

が、ヘルスリテラシーの低い若者が中高年以降に高いICを持てるようになるとは思えませ

ん。


というか若い時代からの心がけが人生後半のICを決定づけるのですから、この研究結果が

鳴らす警鐘はもっと強調されてもよいのではないでしょうか。


結局高齢になってから高いICを保つことによって周囲や社会にかける負担が減りますし、

それになによりそれで最も人生得をするのはその本人です。


ついこの前あるライブハウスで70歳代くらいの人たちのものすごく上手なロックバンドの

演奏を聴く機会があったのですが、演奏の巧みさもさることながらその向こうにあるメン

バーの人たちのICレベルの高さに舌を巻きました。


というわけで、千差万別のメニューを食べ続ける人生において毎日の決断の大切さについ

て今日は考えてみました。


なお、私たち日本人ほど世界中の料理を日常的にに享受している国民は珍しいのです。


その意味で世界一バラエティーに富んだなメニューの選択肢をもつ私たちはぜひ「楽しみ

ながらICを高める人々」でありたいものだと思います。


次回の更新は4/6(木)です。

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