「健康への慢心」は禁物です
何かのテーマ(課題)に出会ったならば、それ相応の時間を対象と向き合うということ、それが人が何かを成し遂げるために不可欠な要件だと思われます。
私の場合、L-カルニチンという成分と出会ったことは全くの偶然によりますが、出会ったその日からそれにとっぷりつかるようになって早くも20年が経ちました。
20年は7300日ほどにあたります。
ひとつの目安としてしばしば「一万時間の法則」ということが言われます。
それなりに通用するようになるためには何ごとであれ一万時間それに打ち込むことが必要だ、ということです。
7300日であれば毎日およそ1時間半ほどで一万時間になりますが、振り返ってみて私は平均そのくらいの時間L-カルニチンのことを考えてきたとは思います。
ようやくそれだけの時間が経ったわけですが、ここへ来てまだ前方には空漠たる遠く深い道のりがあるような気がしています。
ただ、自分自身にとって具体的な利得もありました。
私は二十代の頃から血中の中性脂肪が体質的に高く、健康診断ではこの点が常に問題でした。
そしてL-カルニチンと出会った40代半ば頃はメタボ基準にひっかかる体型でした(まだメタボという名称はありませんでしたが)。
しかし仕事としてL-カルニチンに取り組むことになると自然にエネルギー代謝について突っ込んだ勉強をすることになり、その中で自分自身の食生活を見直すきっかけができ、結果的に10年くらいで完全にメタボから脱却できました。
あのまま何も知らずにメタボ路線のまま進んでいたとしたら、もしかしたら糖尿病か脂肪肝に突入していた可能性は極めて高かったことと思います。
L-カルニチンも毎日摂取し続けてきましたが、それは一種の「後押し」「後方支援」のようなものでほんとうに与かって力あったのは食養生だったと思います(これを考えるとき私はいつも「カルニチンは自ら助くるものを助く」と実感します)。
中性脂肪が高くなる主な原因は肝臓がエネルギー源として余った糖質を脂肪に合成しようとすることにあります。
そのこと自体肝臓としては本来の正しい仕事をしてくれているのですが、メタボの観点から言えば「エネルギー代謝の逆流」が起こっていることになり長期的には動脈硬化、脳梗塞などのリスクを背負うことになります。
このことを知って以来私は「肝臓」という臓器を最も意識して食生活を組みなおすことにしました。
具体的にはいわゆる「低炭水化物食」を基本としたのです。
このやり方に加えてL-カルニチンを摂取することで私の中のエネルギー代謝は理論通りに「逆流」から「正流」に戻すことができました。
以降健康診断の数値は毎回「オール5」に近いところが出るようになり、ずっと体調万全で来れました。
ところが、先月コロナに罹患しました。
季節の変わり目(時ならぬ暖冬の合間に真冬が混じったような気候)にかなり過密なスケジュールで動き回ったことが原因です。
逆算すれば出張の初期に感染し、中盤で症状が出始めましたが後半の予定を変更することができず、もはや風邪薬でごまかせないところまで来ていました。
私は改めて「年齢相応に暮らすこと」に関する原則を悟りました。
回復までに約3週間を要しましたが、この間は事程左様にしんどい思いをしました。
逃げ場のない頭痛・倦怠感・疲労感や咳、痰や鼻水がひどい状態が2週間ほど続き、最後の1週間はそういったトラブルこそ治まりましたがともかく「気持ちが前に向かない」ことが相当辛かったですね。
仕事はこなせず、趣味の音楽を聴くことであれ、おいしいものを食べてみることであれ自分に向かって何を仕向けてみてもNG、寝ても覚めても「後ろ向き」の気構えでした。
お酒は一滴も飲まず、大好きなコーヒーも全く淹れる気がしませんでした。
こういう時には身体を動かす気もしませんし、かといって寝てばかりいても気が滅入る、というウツ的悪循環に陥ります。
感染からひと月近く経って抗体検査も晴れて陰転、そこからようやく前向きの気が流れ出しました。
最悪のコンディションのときには「ひたすら待つ」いわゆる時間クスリというものだけが頼りになるということを今更ながら実感しました。
「健康に慢心は禁物!」、改めてこの原則を思い知りました。
今回は幸い普通の風邪に近い弱めのコロナで済みましたが、突きつけられたものは切実でした。
一方では「自分の身体は常に良くなろうと頑張ってくれるのだ」という自信のようなものも湧いてきました。
これも貴重な拾い物だったと思います。次回の更新予定は12/13(木)です。
ความคิดเห็น