いま身体の中で何がおこっているか?その想像力について
社会で起こっている何かの出来事について、なぜそうなるのかがわかっていればそれにどう対処すればよいのかも察しがつきます。
これは自分の体内で起こっていることでも同じです。
疾患の状態になってしまうとむしろ自己判断は禁物ですが、順調な体調であれば食事や睡眠、運動などについての毎日の行動の都度いま身体ではどういう臓器が何をしているのかということは比較的わかりやすいものです。
たとえば睡眠中の脳であればおよそ90分ごとに状態(レム睡眠かノンレム睡眠か)が入れ替わるとか、寝入りばなが最も深い眠りになるとか。
また筋トレなどきつめの運動をした場合には事後に損傷した筋肉を修復するのに大きなエネルギーとタンパク質が必要になるので、そういったものを運動後速やかに摂取する、あるいはそのような疲労から完全に回復するにはトータル2日間くらい必要だと見当がついていればそれだけ楽に体力を取り戻して次のトレーニングに備えることができます。
今は胃の中がいっぱいか空っぽか、いっぱいの場合はどういう脂肪、タンパク質、炭水化物のいずれが多いのか、空腹の場合前回の食事は何時間前か、こういうことから自分の消化管の中の様子をだいたい想像することができます。
さらには吸収されたものが肝臓に到達しているだろうとか尿排泄に向かっているだろうとか、そういうことも順序や所要時間を心得て入ればかなり正確に予想することができます。
アスリートでない人がフルマラソンにチャレンジすると30キロを過ぎたあたりで大きな疲労感が来ますが、これは筋肉や肝臓に蓄えられていた燃料(グリコーゲン)が底をついたことを示しています。
こういう場合には即効でブドウ糖を供給できるようにおにぎりを食べるとエネルギーがサッとチャージされてまた走り出すことができます。
ひとたび完走したら、そのあと2日くらいは安静にしながら栄養を摂ってあちこちで傷んだ身体のパーツが修理されることを想像しながら過ごすと回復はだいぶ違ってきます。
またきついトレーニングをしていったんグリコーゲンが空っぽになった状態に追い込まれた筋肉は以降に細胞内に備蓄できる収納量を増やそうとしますが、これなどは持久運動能力を高めるテクニックにつながります。
食物繊維を食べたときの消化管の具合などは便通という形で体感を得やすいので、どういうものをどのくらい食べたら何時間くらいでどんな感じになるか、ということを経験し、想像できるようになると大腸がんのリスクなどはかなり減らせるだろうと思います。
逆にあまり身体によろしくないこと、喫煙や深酒、過労についても科学的な想像力を身につければおそろしい行為からは自然に遠ざかる行動に移ることができるはずです。
毎日複数回体重を計っているとそのうち数字を当てられるようになったりもします。
ここまでくれば健康管理もバッチリです!次回の更新は11/24(木)です。
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