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からだは「気」「血」「水」でできている?

  • 王堂 哲
  • 2023年3月2日
  • 読了時間: 2分

 

「作業仮説」という考え方があります。


最終的に証明したいこと(目標)が遠いところにある場合、一足飛びにそこまで行けないので「まずはとりあえずこういうことがあるとしませんか」という問いかけを仮説として設ける、それが作業仮説です。


仮説に従ってまず試してみた結果「正しい」とわかれば次の作業仮説に移り、それを積み重ねて最終目標にたどり着くわけです。


作業仮説は後に修正されたり否定されたりすることはあるかもしれませんが、必ずしもその価値がなくなってしまうことはなく「いったん想定すること」で考えを前に進められる利点があります。


ところで古代中国の思想に『五行相生説』というものがあります。


森羅万象が「木」「火」「土」「金」「水」という五つのいずれかにあてはまり、それらの間で起こる相互作用としてさまざまなことを理解しようとします。


また人体の構成要素を「気血水」の三つでとらえようとする考え方もあります。


こういうことを聞くと「そんなものあるんですか?」と言いたくなりますが、これは古代中国の人がまさに作業仮説として想定した養生の方法と考えられます。


そういう想定を足掛かりに患者さんの心身の状態を丸ごととらえ、それに見合った薬の処方を与えるという極めて経験的なやり方です。


これは西洋科学の「徹底的な要素に分けて理解する」ということとはかなり異なったアプローチではありますが、西洋科学の方も「この物質をこうやって投与すればこの症状は治まるはずだ」という当面有力な仮説に基づいていますから、その意味では洋の東西を問わず医学、医術は数多の作業仮説の集大成と言えます。


ところで、私たちも日常生活で「これを食べたらこういう良いことがあるだろう」「こういう運動をするとこんな効果があるだろう」と仮想しながら養生しているところがあります。


人それぞれにレベルはあると思いますが作業仮説を立てながら試してみてうまくいかなければ別のやり方を試す、この繰り返しでその人の健康観は固まってくると思います。


なので今の自分の体調はどうかな?とからだの声を注意深く聞くことが健康の基本、といえそうです。


「聞き上手は養生上手」です。


次回の更新は3/9(木)です。

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