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私がクスリとサプリのちがいに気づくまでの遠い道のりは長かったです

  • 王堂 哲
  • 2022年9月1日
  • 読了時間: 3分

 

私はまったく薬剤師らしい仕事をした経験のない人間ですが、それでも今から20年少し前くらいまでは専ら医薬品関係の仕事をしていました。


世界中のさまざまな製薬メーカーから課題をもらい奮闘する中で、世界中で開発が進められている治験薬の名前や作用などについて自然に詳しくなりました。


そうするうち、将来○○病になったら××を飲もう、△△疾患になったら◇◇の注射を打ってもらおうというような形で知識のストックもだいぶ充実してきまして、こういう仕事をしている自分はちょっと得をしているな、などと思ったりもしたものです。


ところが縁あってロンザに転職してそこでL-カルニチンに出会って考え方が「140度くらい」変ってしまいました。


それは単にL-カルニチンに詳しくなったということとはちがいます。


L-カルニチンを通して改めてエネルギーの代謝やそれを分担しながらけなげに働いている「臓器本来の働き」をしっかり見つめ直すことができた、ということが大きかったと思います。


L-カルニチンはそれを含まない臓器はないといってもよいくらい身体のすみずみまで到達して働いています。


その機能もまた一律ではなく、最も基本的とされる脂肪燃焼も多々ある役割りのひとつに過ぎないことがわかるようになりました。


その傍らでL-カルニチンのほかのサプリメント成分について知る機会もずいぶん増えました。


その結果、サプリメントは医薬品とそもそも発想が異なる存在であることが理解できるようになりました。


従来はサプリメントなんてせいぜい「効き目の弱いクスリだろう」くらいに思っていたのです。


多くの医薬品は阻害剤あるいはブロッカーとよばれる人工的な物質、つまり身体の中でおこる化学反応を止めてしまうものが多く、それによってつらい症状が押さえられるのですね。


たしかに痛みや痒みが押さえられることはありがたいことですが、それと治癒とはまた別物です。


治癒はあくまでも自分の身体がやることであり、クスリがやる仕事ではないわけです。


一方L-カルニチンのようなサプリメントは身体の中の化学反応を止めるということはなく、足りない所で足りない時にそれを補い、たとえば病気の時には自分の治癒能力を助ける方に働きの主軸があります。


今にしてみればこういうことは別に驚くにもあたらない当然のことのように思われますが、クスリと病気の名前をやたらと記憶して万事OKと高をくくっていた「頭でっかちな自分」の発想からするとこれは天地が逆転するほどのことでした。


L-カルニチンと出会ってからは薬はできるだけ少なく、できるだけ短く使うのがよいということを基本的な原理原則として悟るようになりました。


とはいえ痛みや痒みなどの苦痛を押さえることは(根本的には治癒ではないということで)意味がないのかというとそうではありません。


少々の苦痛ならよいのですが、あまりに度が過ぎたり長引いたりするとその苦痛が自分の治癒能力を発揮させにくくさせてしまうことがあるからです。


ですから、こういうときには上手に医薬品の助けを借りながら苦痛を遠ざけ、そうしている間に水面下で本格的な治癒の作業を営々粛々と進めるのがコツなのだと思います。


ともかく私はこのような医薬品とサプリメントの違いに気付くためにずいぶん遠回りをしました。


けれどその理解のラインにまで速やかに私を引っ張って行ってくれたのがL-カルニチンだったように思い、その偶然の出会いにはとても感謝しています。次回の更新は9/8(木)です。

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