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病気を治しているのはお医者さん?クスリ?

「病気の治療」ということはそもそもどういうものなのでしょうか。


具合が悪くなれば患者はクリニックに行き、もらったクスリを飲んだり塗ったりして様子を見ます。


そして一週間後くらいにもう一度先生に診てもらい良くなっていればそこまで、さもなければ別のクスリに変えてみる、それでだめなら大きな病院でさらに検査を、という感じです。


この場面では「クスリ」が治療の中心になっています。


だいたい医師と接する時間は数分程度なので、患者側の詳しい生活背景などはほとんどわかりません。


ほんとうは数分ではなく医師は数日患者につきっきりで様子を見ていられれば理想的なのですがそれは現実的ではありません。


そこで、お医者さんはクスリに「患者さんのことを1週間よろしく」という形で託すことになるわけです。


しばらくしてそれで症状が治まれば「クスリが効いてめでたしめでたし!」患者も医師もハッピーエンドになります。


このとき患者は「お医者さんが ⇒ クスリを出してくれて ⇒ 病気が治った」というふうに思うかもしれませんが、実際にはそうではありません。


実はお医者さんが処方してくれたクスリはその症状をおさえるためのもので、その不快感や痛み、痒みなどが一時的に感じにくくなっているのに過ぎないのです。


実際に身体の不具合を立て直しているのは患者さん自身の身体なのです。


しかしここから重要なことがいくつか見えてきます。


まず「症状が治まる」ということは単なるごまかしではなく、それは身体が治癒する力にたいへん役立つということです。


自然の摂理として身体は不快感や痛み、熱などを生じることで活動度を下げることを狙っているわけですが、クスリを飲んで安静にしていれば不快感がない方がしっかりと眠れたり食べられたりします。


そういう意味で即効性や体感はクスリに求められる重要な性質です。


結局自然の治癒力を高めるための本質は睡眠と栄養だということです。


残念ながらお医者さんは忙しく、診断結果を見てクスリを処方したらそれでおしまいという場合が多いですね。


本当は「このクスリでひとまずつらい症状がおさえられます。その間に良く寝て、身体を温めながら、栄養を摂ってください。そうすればあなたの身体自身があなたの体調をもとに戻してくれますよ。おだいじに」という一言が大事なのです。


もちろんそういうアドバイスに重点をおいて説明される先生も中にはいらっしゃいますが、あくまでも「病気を治しているのは医者でありクスリである」という考えが医療側にも患者側にも根強いのではないかと思います。


あくまでも自然治癒力が主役であることを理解することが健康回復への本筋です。


それから、不具合が生じやすい年齢になってきたらこれと思うかかりつけ医を決めて普段の生活の様子や仕事のことなどを知っておいてもらうといざというときの判断がより的確になってきます。


診察時間が短いからこそかかりつけのお医者さんを持つことは「賢い患者」であるためのコツだとも言えるでしょう。次回の更新は11/2(木)です。

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