科学的にダイエットに成功するイメージトレーニング(3-2)
前回肝臓に貯蔵されているグリコーゲンは家庭の冷蔵庫に入っている食糧に相当すること、それはすぐに満杯になるのでせっせと備蓄倉庫(内臓脂肪)としてため込まれることをお話ししました。
肝グリコーゲンは食事として糖類(でんぷんなどの炭水化物)を補給しなければ十数時間で空っぽになりますが、備蓄倉庫(内臓脂肪)の方はじつに40日間の絶食にも耐えられるくらい巨大なキャパがあります。
これは今のように食糧が簡単に毎日手に入る時代になる前の進化の段階で完成されてきた鉄壁のシステムです。
防災食を準備しておくことは必要ですが、結局使わずに賞味期限が切れて廃棄になったりするケースが多いですね(それは被災しなかった(!)という幸運の証(あかし)でもあります)。
からだの防災食(内臓脂肪)も重要なものですが、こちらはほぼ廃棄処分になることはなく何十年という単位で体脂肪として蓄えられ続けます。
その一方、ちょっと忙しくて食事ができなかったときなど被災に似た身体状況に至ることはけっこう頻繁にあり得るので必ずしも「死蔵」になるばかりでもありません。
ダイエットの話にもどりましょう。
持ちすぎた脂肪を減らすためにはこの「緊急状態」をわざと作り出すような工夫をすればよいことになります。
シンプルに言えば「十数時間糖質を食べない」、それだけで自然に内臓脂肪倉庫の扉は開いてくれます。
「プチ断食ダイエット法」の中で「16時間断食」と呼ばれるものがありますがこれは結局疑似緊急状態を16時間の絶食(睡眠時間を含んでも可)で作り出し、肝グリコーゲンを空っぽにさせようとするものにほかなりません。
古代人類の生活では16時間断食などしょっちゅうあったはずなので本来私たちの身体にはそれに対応することは案外むつかしいことでもないのです。
この段階で留意頂きたいこと:断食とはいえ、ポイントは肝グリコーゲンをいったん空っぽにするということだけで「何一つ食べてはいけない」ということではないということです。
即座にグリコーゲンに転じないようなタンパク質や食物繊維(あるいは脂質でさえ)は食べてもあまりダイエットに影響しないということです。
運動によるカロリー消費はたしかに肝臓グリコーゲンを減らす方向には向かわせますが少々の運動をしてもへこたれないだけの仕組みが私たちの身体の方々に備わっていますので、この方向(運動)だけでダイエットに立ち向かおうとすることはなかなかむつかしいのです。
次回はこのあたりのことについて考えてみます。
次回の更新は6/15(木)です。
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