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クスリとサプリメントとのちがいあれこれ


 

医薬品には痛みや腫れ、発熱などを緩和するため身体の中の特定の化学反応の流れを止めるもの(酵素阻害剤・受容体ブロッカー)がたくさんあります。

ただひとくちに身体で起こっている化学反応といっても全身で24時間何千何万もの種類のものが連綿と秩序立って動いていますので、そのうちのたった一つだけを狙い撃ちすることは至難の業、というかほとんど不可能といってよいと思います。

たとえばケガの手術処置をしたときに患部での細菌感染を止めるために抗生剤を飲んだとします。

その場合たしかにその狙った場所での効果は発揮されるはずですが、一方ではいわゆる善玉の腸内細菌なども巻き添えにせざるを得ません。

つまりこのケースでは患部の細菌感染の抑制が主作用、善玉菌の死滅が副作用ということになります。

ここでは「主作用のメリットが副作用のデメリットを上回るかどうか」がポイントになります。

今はウェブなどを使って「インタビューフォーム」という形で医薬品に関する情報を知ることができます。

そこにはその薬剤の効果効能や作用機序などとともに起こり得る副作用についても詳しく書かれています。

たいていは肝臓、腎臓、消化器系などなどに様々な不具合が起こる可能性がたくさん載っています。

これらはすべて目的以外のところで起こる「巻き添え的な反応」です。

一方サプリメント、たとえばL-カルニチンについて見てみますと摂取したものが吸収されて全身を巡ることは医薬品と同じですが特に化学反応の流れを遮断するという働きはなく「足りないところがあればそれを補う」というふうに作用します。

L-カルニチンは脂肪をエネルギーに変えるために不可欠の成分ですが、そのほかに激しい運動をしたあとの筋肉痛を適度に抑制する働きなども知られています。

筋肉痛をケアするために摂取したとしてもL-カルニチンは体内の隅々までパトロールし、肝臓・腎臓・脳などでも不足があればそれを補ってチューンナップしようとします。

つまり主作用とともに多くの働きが期待されますが、不足している部分を補う好ましい効果ですのでこれは「副作用」にはあたりません。

「狙ったところ以外での作用」がトラブルを起こすのか、結果的に癒やす方向に働くのかということは非常に大きな違いです。

このことから医薬品は医師の監督下で「できるだけ少量かつ短期間」利用することが基本になっているおりここが実用上食品として自由摂取されるサプリメントと区別されるべき点です。

またサプリメントは基本的に健康を維持したり増進したりすることが目的ですので、これを上手に利用することで「そもそも医薬品を使わずに済む状態」を作り出したいものです。


次回の更新は2/2(木)です。

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