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地球の外で生命のもとが生まれたかも・・・!?(その2)


 

小惑星探査機「はやぶさ2」が小惑星リュウグウから持ち帰ったサンプルにはタンパク質の部品であるアミノ酸が含まれている、ということでした。


そのほか新たに「ウラシル」「ナイアシン」といった遺伝子やビタミンを構成している成分もみつかったそうです。


もちろんこれだけで即座に生物が作られるわけではありませんが、地球外の天体を調べたときに石っころや金属のような無機物だけしかみつからなかったという場合に比べれば「生物との距離」が格段に近いものが見出されたということは本当に驚くべき事実だと思います。


こと生物に関しては従来すべて地球で何もかもが作られた、ということしか考えられませんでしたが今度の発見で「かなり完成された部品」が地球外からやってきたという可能性が非常に強まりました。


やや極端に言えば「自動車という生き物」のタイヤのきれっぱしのゴムとかエンジンの潤滑油の一部がみつかったということにも近いくらいのイメージです。


逆に言えば、私たち生物の身体のさまざまな部品はそれを構成している元素さえあれば案外簡単な化学反応の組み合わせで出来てくる、ということなのかもしれません。


たしかに、今からちょうど70年前にシカゴ大学のスタンリー・ミラーという人が水、メタン、アンモニア、水素を入れたフラスコに雷のような放電を加えるとアミノ酸や遺伝子の成分ができることを示しています。


ですがその実験では基本的に「そういった反応が原始の地球上で起こっていた可能性」を思わせるだけで、地球外から完成度の高い部品が降ってきたという風には想像していなかったと思います。


もしも地球外から核酸やアミノ酸が到着したとすれば、42.195キロのフルマラソンで言えば生命誕生のゴールをかなり目前にした40キロ地点くらいまで一気に到達できるくらいのことかもしれません。


今度発見されたアミノ酸の中にはカルニチンにかなり似た構造をもつアミノ酪酸(健康食品でもおなじみのGABAの一種です!)もすでに見つかっています。


2万種類に及ぶ物質があったそうですから今後玉手箱からどんなものが出てくるのか、研究の進展がとても楽しみです。


次回の更新は4/20(木)です。

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