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親はなぜ赤ちゃんに「高い高い!」をしたくなるのか?

 

生まれた直後から3歳児くらいまでの間は子どもの心身の成長に非常に大事であること、そのあとは少々放任なくらいでちょうどよくあとは思春期の頃のケアをすればだいたい無事に成人できる、こういうことは昔からよく知られています。

 

一方昨今発達障がいの小中学生が「激増」しているという報道をよく目にしますが、もしかしたらこの生まれた直後からの育児期に親との十分な接触ができていないことに原因の一端があるのかもしれません。

 

実際そういうところに着目して発達障がいを持つ乳幼児をサポートするような試みも一部でなされています。

 

私は専門家ではありませんが、少しカリキュラムを見たところバランスボールに乗る練習とか、子どもを横たわらせた毛布の両端を大人が持ってゆったりした言葉とともにハンモックのようにゆらゆら揺らす運動とかなかなか興味深い方法が考案されているようです。

 

これを見ていてはっと気づいたことがあります。

 

発達障がい児へのケアの方法というのはまるで親がわが子をあやすときにする「高い高い!」や、寝転んで足の裏に子どもを載せてバランスをとらせたりすること(「ヒコーキ」などとも呼ばれますね)、あるいは寝かせるときに親がリズムをとって子守歌など歌いながら身体をゆらゆらさせたりすること、こういった動きにかなり似ているように思えたのです。

 

これらのことを通じて子どもは少々スリルを感じながらも平衡感覚や皮膚感覚のふれあい(スキンシップ)を身に着けているはずです。

 

もちろん高い高いやヒコーキをされた子どもはとても喜んでいるように見えますが、実は喜んでいるのは親の方も同じではないかと思います。

 

高い高いをされた子どもがちょっと驚き、親がその反応を喜び、それをみてまた子どもがキャッキャッと声を上げる、しまいには空中に放り投げて落ちてきたところを抱きかかえる・・・こういう皮膚感覚を通じた感情のキャッチボールが何度も行われることでしだいに心身が育ってゆくのでしょう。

 

そういえばディズニーの『ライオンキング』という作品にはマントヒヒの酋長のようなキャラクターが新しく生まれたライオンの赤ちゃんを崖の上で高々と抱き上げるシーンがありましたが、こういう表現は(アニメとはいえ)とても自然です。

 

もしかしたら動物の種を超えて「高い高い」に似たようなスキンシップで元気な赤ちゃんが育ってゆくのかもしれないな、と思いました。

 

現代社会ではそういうような人生初期の非常に大切な時期を「忙しさ」と引き換えに犠牲にしてしまうところが残念ながらあるのかもしれず、それが結果として発達障がいの子どもたちの激増などにつながっているとすればこれはかなり深刻な問題だと思います。

 

またその反面、対策は比較的立ちやすいようにも思います。

 

あたりまえの愛情であたりまえに可愛がることであたりまえに育つ、というのがヒトを含めた動物の在り方なのかもしれません。次回の更新予定は2/15(木)です。

 

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